初期のビデオカメラは電子線で走査して画素信号を得ていた

今日はビデオカメラの話をしましょう。古くはニプコー円盤+1点の光検出器ですが、円盤の回転は速度に上限があるため、電子的に二次元情報を取り出すためにいろいろな工夫がなされました。今は、画素を2次元の縦横の配線で指定して強度を読みだす仕組みがありますが、微細加工が必要です。微細加工技術がない時代は、電子線を走査して、特定の画素にあたった光を素子全体の電流として取り出しました。ブラウン管の蛍光スクリーンを光を感じる物質にしています。面白い発想だと思います。米国のPhilo T. Farnsworthの14才の時の考案と言うのが驚きです(実現は1927(21才)だが、14才の時のノートが特許に寄与。そ…

ストリークカメラ

ニプコー円盤による走査線の発明(1883)は、「二次元座標→時間」の変換でした。発想法として「逆」を考えるのは有効です。「時間→二次元座標」を変換する装置はあるでしょうか?一つは当然ブラウン管で、陰極線管に電極を2組入れ、電圧をかけてXY座標を走査します。昔のテレビの他、古いレーダーやオシロスコープでは使われていましたが、液晶ディスプレイ等により薄型化し、あまり見なくなりました。 今後長く使われるデバイスとしては「ストリークカメラ streak camera」がその流れにあるものでしょう。これは、ピコ秒程度の超高速分光で使われます(通常品の価格 2000万円~、最高時間分解能(MIT,2011…