124光年離れた惑星K2-18b

昨日紹介した惑星K2-18bについては、日本語のwikipediaに最新の情報が載っていて驚きました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/K2-18b
それによると、直径は地球の2.72倍(34582km)、質量は8.63倍です。ガス惑星である可能性と、岩石の大地がある可能性の両方があるようです。
地球から124光年の距離にあるそうです。母星の前を横切るときに遮られた光のスペクトルを測定することでこの惑星の大気の光吸収スペクトルを測定しました。
どのくらい狭い角度の光を測定しないといけないか考えてみましょう。
124光年=1243×10^8 m 365246060=1.17×10^15 km
この距離にある34582kmの物体は角度にして 34582/1.17E15
180/π=1.7×10^-9 度 の角度の幅になります。
他の角度の光が入ってくると吸収が測定できないので、細い筒(コリメータ)でこの角度で光を分けたくなりますが、技術的に無理だと思います。
それは、1.7×10^-9度の角度を分離するには、0.1mmの直径の筒として長さが π/180÷1.7E-9*0.1E-3=約1kmとなり、そのような筒は作れたとしても宇宙望遠鏡に積むのは不可能だからです。そもそも光がとおるまっすぐな筒を作ることができるとは思えません。
幸い宇宙は星が無いところは暗いので、光源である母星が惑星と同じくらい小さければ、コリメータ不要で測定できます。
K2-18bの母星は赤色矮星なのでこの目的にぴったりだったというわけです。それでも統計処理が必要なくらい弱い信号で議論しています。
測定している波長は1μm~5μmの赤外です。他にもありそうです。これについては明日解説しましょう。

英語は関連用語から。
diameter 直径
radius 半径
light year 光年
mass 質量
gas planet ガス惑星
aspect ratio アスペクト比。上記で考えた筒の直径と長さの比のような、細いものを考えるときの値です。
tube 筒
column 円柱、新聞などのコラム、数学の行列の「列」(「行」はrow)
collimator 「コ」リメータ  光などを絞って平行にする装置 スリットで一次元方向の広がりを許すものもコリメータという。
statistical treatment 統計処理
red dwarf 赤色矮星

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