米国の太陽探査機Parker Solar Probe についてもう少し見ていきましょう。太陽大気をくぐる時、人類が作って制御した物体としては最高速度(秒速192km、光速の0.064%)を出したそうです。そのためには、金星や木星をかすめて重力を使って軌道を変える操作(Hohmann transfer)を何回も行う必要があったそうです。西洋占星術では「惑星直列」など気にしますが、軌道遷移に使うためには地球との位置関係は重要な要素になりますね。ただ、Parker Solar Probeは2018年に打ち上げられてから6年かけて太陽に最接近したので、惑星との位置関係の効果が出るのは数年後になり、占いには使えないですね。
この軌道調整方法は”Hohman transfer”というそうです。下記のビデオに太陽をかすめる軌道に乗せる困難や材料、地上テストの様子が解説されています。
荷電粒子測定器のFaraday cupの材料はタングステン、電線はNb合金だそうで、どちらも耐熱性を重視して選ばれています。
耐熱材料は発泡炭素で、輻射熱を反射するために白いセラミックが載っているそうです。
探査機を作っている様子が下記のビデオに載っています。この探査機は高さ3m近くあり、思ったより大きいです。6分くらいのところ、空気中でバーナーの火であぶっていますが平気です。空気が97%というかなりすごい材料で、1650℃まで耐えるように作られているそうです。燃えないのは炭素だけでなくケイ素など加熱すると酸化被膜ができるような物質が複合されているのでしょうか?
Cutting-Edge Heat Shield Installed on NASA’s Parker Solar Probe
作った会社は下記です。 炭素複合材料はシーシーコンポジットと言いますが、Microsoft Copilot によるとceramic-carbon compositeの略だそうです。
この会社はCarbon Carbon Advanced Technology社で、ちょっと違います。軍事産業にも絡んでいるためか、非上場企業です。
https://www.c-cat.net/
英語は https://www.youtube.com/watch?v=pOZhPz92Dic から。
insane engineering 正気でない技術
troposphere 対流圏(地球大気の最下層)
stratosphere 成層圏(地球大気、ジェット機が飛ぶところから上、オゾン層があるところ)
mesosphere 中間圏(地球大気、50km-80km) その上に熱圏、外気圏があります。
photosphere 光球(太陽大気の最下層) 太陽では、「圏」を使わないのがおもしろいですね。
chromosphere 彩層(太陽大気の中間層)
corona コロナ(太陽大気の最上層)
“And anything launching from Earth will be imbued with the same orbital velocity around the Sun.”
imbue
”Hohmann transfer is named after Walter Hohmann(proposed 1925). It is an elliptical orbit to transfer between two circular orbits of different radii around a central body in the same plane. It often uses the lowest possible amount of propellant in traveling between these orbits, but bi-elliptic transfer can use less in some cases”
elliptical 楕円形の
radii ラ「ディ」イ radiusの複数形 半径
diameter ダイ「ア」メター 直径
the lowest possible amount 最も低い消費量
propellant 推進薬
composite 複合材料、コンポジット