人間が一日に呼吸で放出するCO2は約1kgだそうです。
大気中のCO2の総量はどのくらいかと思って検索したところ、
https://en.wikipedia.org/wiki/Carbon_dioxide_in_Earth%27s_atmosphere
によれば、大気中の1ppmのCO2は 炭素として2.13Gt(ギガトン)、CO2として7.82Gtだそうです。いま412ppmなので、CO2として3221Gtですね。
この数値は米国のOak Ridge National Lab.の報告書からです。一般人の概算も見つかりましたが、幅があります。11000Gtは間違いで、3206Gtの人が正解ですね。
https://www.quora.com/How-much-carbon-is-in-the-world-s-atmosphere-in-terms-of-gigatonnes-How-does-this-relate-to-tonnes-of-carbon-dioxide
1850年からの人間由来のCO2放出は2400Gtで、植物等による吸収を除いた純増は950Gtとされています。
また、2020年で1年間に40Gtが放出されているそうです。
各国はCO2排出量ゼロ、すなわちZero emissionを目指していますが世界で40Gt/年を吸収すればいいわけです。お金はいくらかかるでしょうか。
昨日のJST-CRDSの報告書(2019)によると、896kt/yearのDACプラントの場合
https://www.jst.go.jp/lcs/pdf/fy2019-pp-07.pdf
建設費1230億円、運転人員20名で、運転にかかるコスト(建設費含まず)
設備の維持20.6円/kgCO2, 人件費 0.1円/同, メタン燃料 13.3円/kgCO2, CaCO3など1.4円/kgCO2=35.4円/kgCO2だそうです。メタンを燃やして発生するCO2も当然プラントで回収します。
40Gtは40×10^12kgですから、1年間に放出するCO2を吸収するコストは35.4×40×10^12=1416兆円になります。
世界の年間GDPの総計は96兆ドル=1京4400兆円なので、その10%を使えばゼロエミッションが可能となります。
また、建設費がいくらになるかというと、上記プラントは40Gt/896kt=44602個必要なので、建設費1230億円をかけると5486兆円、世界のGDPの38%です。
貯留にかかる費用は、DACに比べて安く、1.3円/kgCO2だそうです。これは回収コストに対して誤差と言っていいでしょう。ただし、日本には貯留場所の候補地が少ないそうです。
DACの費用は物価や税金に反映されると思うので、10%税金が上がるのを覚悟すればゼロエミッションが実現するということでしょうか。Bill Gatesが推すのも少しわかりますね。
自分の居住地域が暑くなって住めなくなる人たちは喜んで払うかもしれません。
また、DACではなく、燃焼排気からアミン吸収法で回収する場合、CO2を90%回収で4.1円/kgCO2, 99.9%回収で8.1円/kgCO2だそうです。DACよりずっと安く上がります。
発生源で回収するのが大切という結論で、こちらは普及するでしょう。
英語はhttps://en.wikipedia.org/wiki/Carbon_dioxide_in_Earth から。
“Carbon dioxide is a trace gas.” 二酸化炭素は痕跡量の気体にすぎない。
“Water vapor is the primary greenhouse gas, as of 2010, contributing 50% of the greenhouse effect, followed by carbon dioxide at 20%.”
水蒸気が第一の温室効果ガスで、2010年時点では温室効果の50%の寄与がある。次はCO2で20%である。
”This (=the increase in atmospheric concentrations of CO2) has led to a rise in average global temperature and ocean acidification. Another direct effect is the CO2 fertilization effect. ”
concentration 濃度
ocean acidification 海の酸性化
fertilization 富栄養化 CO2濃度が高いと植物がよく育つこと。
fertilizer 肥料
”Some fraction (a projected 20–35%) of the fossil carbon transferred thus far will persist in the atmosphere as elevated CO2 levels for many thousands of years after these carbon transfer activities begin to subside”Ocean
fraction 部分、一部 cf. fractional number 分数
fossil 化石
thus far = so far これまでに
persist 永久に残る、永続する
subside 道を譲る
Northern hemisphere 北半球