Boeingの最近の事故

Boeing社の不調の要因はコロナもありますが、立て続けに起きた2件の墜落事故、および今年起きた上空での非常扉の脱落事故の影響が大きいです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0737_MAX%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%AB%E8%88%AA%E7%A9%BA1282%E4%BE%BF%E7%B7%8A%E6%80%A5%E7%9D%80%E9%99%B8%E4%BA%8B%E6%95%85
1つめの2件の墜落事故は2019-2020年で346人が犠牲になっています。本質的な設計の問題です。燃費をよくするためにエンジンを大型化し、地面にぶつからないように取付位置を変えたら空気力学特性が変わったので、失速をさけるためソフトウェアで何とかしようとしたらそこにミス(考察不足、パイロットへの説明不足)があった、というもので、教訓として重要です。機体の設計をやり直すのはコストがかかりすぎたのでしょうが、どういう選択肢があったかについては調べてみたいですね。しばらく全機運航停止で、事故のほかにも航空会社に賠償しています。現在はソフトウェアと配線の改良で運航が認められています。今後、自動運転の自動車や空飛ぶ車が市場に出てくると思いますが、技術者が魂を込めて設計してくれることを祈ります。我々も自戒しなければなりません。
2つ目の事故は、上空では外部は0.3気圧、内部は0.8気圧くらいなので、壁が破れると100cm2(手のひらくらいの面積)当たり50kgくらいの外向きの力がかかります。幸い、死者は出ていませんが、脱落したドア付近の座席で危うく吸い出されそうになった人はいたみたいです。最近、飛行機に乗ると着席時にシートベルトするようしつこくアナウンスされますが、シートベルトは乱気流のほか、機体の一部破損に備えるためにも重要です。原因は、はめ殺しにする非常扉の固定法にミスがあったというもので、製造現場の技術レベルとして「大丈夫か?」というダメ押しの感じがあり、売り上げに大きな影響があるのは納得します。結局1997年の合併の影響が尾を引いているように見えます。交換条件の米国内独占の喪失によるAirbus社との競争の激化、本社移転、リストラによる士気や技術レベルの低下など、原因として考えられる話はいろいろあります。会社は難しいですね。

英語は、 https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_737_MAX_groundings から。
Boeing 737 MAX groundings ボーイング737MAX運航停止
stall 失速(しっそく)。馬小屋や座席などの一区画という意味もあります。
maneuvering characteristics augmentation system (MCAS) 操縦特性拡張システム・・・言葉からして、怪しい響きがあります。
“Boeing avoided revealing the existence of MCAS until pilots requested further explanation”
ボーイングはパイロットたちがさらなる説明を求めるまではMCASの存在を明らかにしなかった
FAA (Federal Aviation Administration) airworthiness certificates 連邦航空局型式証明(かたしきしょうめい)
“Lawmakers investigated Boeing’s incentives to minimize training for the new aircraft.” 議会はボーイング社の新しい飛行機への訓練を極小化する動機について調査した。  米国の国会の公聴会や委員会はyoutubeでも見えますが、濃密な内容があり厳しいものです。
“The FAA revoked Boeing’s authority to issue airworthiness certificates for individual MAX airplanes and fined Boeing for exerting “undue pressure” on its designated aircraft inspectors. ” FAAはボーイング社に対し、個々のMAX型機の耐空証明を発行する権限を剥奪し、ボーイング社が指定した航空機検査官に「不当な圧力」をかけたとして罰金を科した。
“On January 5, 2024, Alaska Airlines Flight 1282, suffered a mid-flight blowout of a plug filling an unused emergency exit, causing rapid decompression of the aircraft.”
blowout 吹き飛ぶこと
rapid decompression 急速な減圧
“In July 2024, Boeing took ownership of the Alaska Airlines jet, pleaded guilty to criminal charges regarding the fatal accidents;”
take ownership of the Alaska Airlines jet アラスカ航空の所有権を取得し
plead guilty プりード ギるティ 有罪を認める
criminal charges regarding the fatal accidents 死亡事故に対する刑事訴追

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