ホウ素ドープダイヤモンドとセンサー応用

昨日はナノダイヤモンドの生体適合性の話が出てきました。ダイヤモンドは反応性が低いので、色々な場面で役立ちます。たとえば、ホウ素をダイヤモンドに高濃度(数%)ドープすると金属になりますが、これは反応性が低い電極として使い勝手が良いです。
電気分解する際、電極表面で電解液中のイオンと電荷をやりとりするために余分なエネルギーが必要です。これを過電圧 overpotential と言います(エネルギー(Joule)を素電荷e=1.6×10^-19Cで割ると電圧(Volt)になる)。
ホウ素ドープダイヤモンド電極はいろいろなイオンに対して過電圧が極めて大きいことが知られています。これはダイヤモンドの反応性が低いこととも関係しますが、炭素の原子間距離が小さく、電荷の偏りがないことにも由来しています。ホウ素ドープダイヤモンドの表面を酸化して-COOHにしてそこに-NH-Rなどで分子Rをつけることができます。
その電極を使って電気分解すると、分子Rの部分だけが電荷授受を行うので、バックグラウンド電流が極めて小さい電気化学センサーを作ることができます。このような電極は市販されており、結構高価です。
Boron-Doped Diamond Plate – BDD Plate
は、15mm角で$1843=285000円です。この値段なら作ろうかなと思いますね。ホウ酸とアルコールを適切に1000℃で水素ラジカル下で反応させればできます。
反対に、たいていのイオンに対して過電圧が低いのが白金で、エネルギーが無駄にならないので、燃料電池の電極や、水の電気分解による水素発生の電極に使われます。問題は、白金の埋蔵量が限られているのできわめて高価なことです。水素燃料電池車は技術的には完成していますが、きわめて高価なのでEVに負けそうです。

英語は ダイヤモンドの関連語 adamant の類義語です。
adamant 「ア」ダマント 負けない、譲らない、断固として level 11 語源はギリシャ語で、最も硬いもの=ダイヤモンド
adamantan アダマンタン (ダイヤモンドの一部を切り出したような炭化水素)
atom = a+tom → not being able to cut 分割できない→ 原子
microtome ミクロトーム 顕微鏡切片をつくる道具。高級品はダイヤモンドの刃を使う(きわめて高価、ダイヤモンド製の剃刀状のものは100万円など)
tomography 断層写真法  tom は「切る」です。
impenetrable イン「ペ」ネトラブる 突きとおせない、頑固な、 level 12
rock-hard カチンコチン
unbreakable 壊せない
unyielding = un+yielding 屈服しない
invincible 無敵の level 10 the invincible Armada 無敵艦隊
insistent イン「シ」ステント 強要する level 8
resolute 「レ」ゾりュート 断固とした、決然とした level 7 The prime minister was resolute against the war. 首相はその戦争に断固反対であった。
rigid 硬い
relentless 情け容赦のない level 11 ‘Borg’ in Star Trek movie is a relentless enemy for United Federation of Planets. 映画スタートレックのボーグは惑星連邦の情け容赦のない敵だ。
stubborn ス「タ」ボーン 頑固な
obstinate 「オ」ブスティネイト 頑固な、手に負えない level 7 Obstinate constipation 頑固な便秘
uncompromising 妥協しない
compromise 「コ」ンプロマイズ 妥協する

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