連休前は人工ダイヤモンドの話をしていました。続けます。
先週紹介していなかったダイヤモンドの重要な製法として、「爆轟法 detonation synthesis」というのがあります。これは、鉄製の強固な容器の中に爆薬を密閉して爆発させ、瞬間的に発生する高温高圧を利用してダイヤモンドを合成する方法です。
1988年ころロシアで開発されたようです。
https://www.nature.com/articles/333440a0
ナノメートルサイズの粉体しか得られませんが、期限切れの爆薬の有効活用の方法として有効です。ダイヤモンドは25%ほどで、sp2炭素である煤(すす)も大量に得られるので、濃い酸(硝酸など)で高温処理(~250℃)して、ダイヤモンド以外を溶解させ除去する必要があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Detonation_nanodiamond
https://link.springer.com/article/10.1134/S1070427206120019
用途としては、研磨剤やエンジンオイルへの添加物(潤滑用)などがあるそうです。下記を見る限り、かなり高価です(懸濁液が100mL2万円)
https://www.adamasnano.com/multi-use-5nm-suspension/
https://product.statnano.com/product/13705/diamond-nano-lube-engine-treatment
ドラッグデリバリーとしての研究もある、とのことです。ダイヤモンドは生体と相互作用しないので無害とされています。その性質を使って、ダイヤモンドナノ粒子に薬を化学結合させて注射するのでしょう。ダイヤモンドは”light beacon”として働くのだそうです。
https://www.themoscowtimes.com/2012/09/22/cancer-fighting-nano-diamonds-win-ig-nobel-prize-a17986
英語は detonation の類義語から。
detonation デト「ネ」イション level 17 爆発、爆轟(ばくごう) と訳します。狭義には、爆発の衝撃波が音速を超えている場合を指します。
ignition イグニッション 点火 ignition plug 点火プラグ
explosion 爆発
bang 爆発 big bang ビッグバン
blast 爆発、爆風、発破、船の警笛、ラッパの音、突風、非難 level 5 blast shelter 爆風シェルター bunker blast ゴルフ用語のようです。バンカーから砂を薄くとり高く上げてボールを出すショット。
blowout 破裂、噴出、ヒューズが飛ぶこと、大敗 level 14
boom ブーム、とどろき、ブーンとなる音、起重機などの張り出し棒
discharge 放電
blow-up 吹きあがり
ablation 切除、高温などで融かし吹き飛ばすこと laser ablation レーザーアブレーション ablation of retina 網膜剥離