Amonton-Coulombの摩擦の法則

摩擦力が垂直抗力に比例する、というのはAmonton-Coulombの法則と言います。Coulombは電荷のクーロンの法則の発見者ですが、摩擦の法則も彼が定式化しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%91%A9%E6%93%A6
静止摩擦係数と動摩擦係数が異なることは流体力学や数学で有名なEuler (オイラー)が理論的考察から見つけました。
なぜそうなるか、というのがトライボロジーでは重要な話です。
(1)微小な凸凹(昨日英単語として紹介したasperity)の先端部だけが接触して摩擦を生んでいて、圧力が増えると接触面積が比例して増える。
(2)摩擦力は、接触面のせん断応力と接触面積の積となる
どちらも、もっともらしい話です。また、現代の微視的実験で確認されているというのが私の認識です。Amonton-Coulomb則の微視的機構については最近でも論文がいろいろ出ています。特に微小流体デバイスが医用(診断)に使われたりしているので、液滴関連が多いです。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.langmuir.2c00178
https://www.nature.com/articles/s41467-022-28823-6
潤滑剤は(2)のせん断応力(くっついている力)を減少させているのでしょう。
ベアリングで利用しているような転がり摩擦が小さいのは、(1)の接触面が円筒では線、球では点となり非常に小さいことに由来すると思います。

英語はhttps://en.wikipedia.org/wiki/Friction プラス思いついた単語。
lubricate 「る」ブリケイト 潤滑させる
lubricant 潤滑剤
desiccate 「デ」シケイト 乾燥させる
desiccant 「デ」シカント 乾燥させる力がある、乾燥剤
repel リ「ペ」る 反発する
repellant リ「ペ」ラント 忌避させる、水をはじく、忌避剤 level 20
static friction 静止摩擦
kinetic/dynamic friction 動摩擦
“Many ancient authors were interested in the cause and mitigation of friction”
mitigation 軽減
the normal pressure 垂直圧力
tangent 接線
repose リポウズ 休養、おちつき、静養 level 8
cavity 空洞 cavity resonator 空洞共振器
rolling friction 転がり摩擦
“Plank advocated regarding the generation of heat by rubbing as the most specific way to define heat”
(量子力学のプランク定数の)プランクは摩擦熱について、熱を定義する最も明確な方法であると提唱した
advocate 「ア」ドヴォケイト 提唱する、弁護する、指示する、またそれをする人 level 5 devil’s advocate 議論でわざとあまのじゃくを言う役

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