世界の研究所:インドの宇宙線観測設備 Grapes-3

今週の世界の研究所は、インドのOoty市(ウーッティ、正式名称はUdakamandalam)にあるTata研究所と日本の大阪市立大学などが運営しているGrapes-3 宇宙線観測設備を取り上げます。先週出た論文によると、宇宙から降り注ぐ超高エネルギーの陽子のエネルギースペクトルに「へこみ」が見つかったとのことです。
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.132.051002
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%80%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A9%E3%83%A0
https://grapes-3.tifr.res.in/index.html
ここは1955年から運営されているそうです。南インドですが標高2200mで時々雪も降るそうです。
宇宙線のエネルギースペクトルは10^20eV超えまで測定されていて、10^16eV(10 PeV ペタ電子ボルト)に”knee”という折れ曲がり、5×10^18eV(5 EeV エクサ電子ボルト)に”ankle”という折れ曲がりがあることはわかっていましたが、1.5×10^12eV(1.5TeV テラ電子ボルト)にへこみ(折れ曲がり、”kink”)があるのは新発見です。
https://physics.stackexchange.com/questions/112966/is-it-known-what-causes-the-knee-in-the-observed-cosmic-ray-spectrum
2014~2015年の実験結果を9年後の今年に発表している理由が興味深いですが、慎重な解析を行ったということでしょうか。
10^20 eVだと1km2あたり1世紀に1個の粒子が降る程度で、どうやって観測しているのか興味があります。
今週はGrapes-3の仕組みや、高エネルギー宇宙線の周辺を調べてみようと思います。

英語は関連用語から。
cosmic ray 宇宙線
knee ニー ひざ
ankle 「ア」ンクる 足首
heel ヒーる  かかと
heel 悪役、という意味はプロレス(=わるもん)のスラングからきているそうです。heel villain 反対語の「いいもん」はプロレスでは face だそうです。
https://www.serendipity.page/b/2020/10/heel/
憎まれ役 villain ヴィらン level 7, martinet (やかまし屋) level 22
elbow エるボウ 肘(ひじ)
muon ミュオン、μ中間子
2200m above sea level 海抜2200m
scintillators シンチレータ 高エネルギー粒子や光子があたると蛍光を発する検出器
propagation 伝搬
circa 「サ」ーカ およそ (c.a.と略す)
※ 近くに面白そうなところがありますが、かなり暑そうです(一日の最高気温の平均が32.7℃)
https://en.wikipedia.org/wiki/Coimbatore
https://isha.sadhguru.org/en/center/consecrated-spaces/112-feet-adiyogi

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