大学1年生の学生実験で「原子核乾板」というのをやりました。写真に写った飛跡を見て粒子の種類とエネルギーを当てる課題でした。熱心な先生で、正解するまで夜10時まで残されたのがいい思い出ですが、今はそんな指導はできないですね。数百人(700人?)を担当しておられたのは確かだと思います。頭が下がります。
インドのGrapes-3実験施設では、シンチレータをたくさん並べて、高エネルギー宇宙線が空気中の分子にぶつかってシャワー状に発生する高速電子やμ中間子を検出します。同時に観測される電子の数と広がりから宇宙線粒子のエネルギーを算出します。
下記はシンチレータの学生実験の説明書のようです。
https://www.qmul.ac.uk/spcs/media/school-of-physical-and-chemical-sciences/legacy—school-of-physics-and-astronomy-/outreach/research-in-schools/Muon_Martin_v4_teachers.pdf
シンチレータは蛍光分子(para-terphenylとPOPOP)をスチレンと混ぜてから150℃でスチレンを熱重合させて一体化させたプラスチックシンチレータだと思われます。
https://earth-planets-space.springeropen.com/articles/10.5047/eps.2009.03.003
高速電子やμ中間子がぶつかると蛍光がパルス状に出ます。それを光電子増倍管で検出するという仕組みで、1個10000円くらいでしょう。10000個作って1億円ですね。
この研究施設は他にも面白い論文を書いていて、雷雲が来ると宇宙線の信号が変化することから、雷雲中の電場が推測できる(1GeV)、というのがあります。敷衍して、大気中で高エネルギーγ線が出るのは雷雲のせいである、と主張しています。
https://physics.aps.org/articles/v12/29
頭がいいですね。この電圧については雷雲の専門家から間違いではないか、と指摘されたりしています。
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.124.019501
英語は、上記のいろいろなサイトで目についた単語から
fixing crazed scintillator ひびが入ったシンチレータを修理する
craze 発狂させる、ひびを入れる level 9 < crazy
“The light guides we need are trapezoidal pieces of Lucite.”
trapezoidal ト「ラ」ペゾイダる 台形の
Lucite 透明な熱可塑性アクリル樹脂 a transparent thermoplastic acrylic resin (商品名 trade mark)
thunderstorm 雷雨
thundercloud 雷雲
“A thundercloud’s potential can reduce the energies of the charged particles and decrease the likelihood that they will be detected beneath the storm”
嵐の下では雷雲の電位によって荷電粒子のエネルギーが減少し、検出される可能性が小さくなる。
charged particles 荷電粒子
likelihodd 可能性、尤度
“This muon-based technique provides a unique, albeit indirect, way to probe the electric fields in the largest natural particle accelerators on Earth—lightning and thunderstorms,”
muon ミュオン、μ中間子
albeit オーる「ビ」ート ~にもかかわらず、たとえ~でも level 12