風邪に関する論文を検索すると下記が出てきました。The Lancetは臨床医学で一番権威ある雑誌と聞いています。この著者は同じ題材で、より新しいいろいろな医学事典に書いているようなので、第一人者なのでしょう。
https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(05)70270-X/fulltext
この論文によると、
・風邪の症状を起こすウィルスは200種類以上ある
・ライノウィルスは風邪の30-50%を占める。ライノウィルスには100種類以上の株があるので抗ウィルス薬を開発するのは絶望的。
・インフルエンザのみ早期に有効な抗ウィルス剤があるので早く診断をつけたい。その手掛かりは高熱と咳(せき)で、風邪の中でもこの組み合わせの80%はインフルエンザ。
・マクロファージがウィルスのRNAや細菌の細胞壁断片を見つけて反応を起こす。
・マクロファージはまずさまざまなサイトカイン(血中に分泌される伝達物質)を出す。これが風邪の全身症状の原因。
・bradykinin(ブラジキニン)という炎症誘発物質(inflammatory mediator、9個のアミノ酸からなるペプチド)がのどの痛みや鼻詰まりなど風邪の症状を起こす。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%83%8B%E3%83%B3
https://www.nc-medical.com/deteil/pain/pain_01.html
・くしゃみは三叉神経が刺激されるため
・インターフェロンβを薬として使うとインフルエンザににた症状が出ることが知られており、インフルエンザの際もインターフェロンβがかかわっていることが推測されています。
https://www.nihs.go.jp/dbcb/Biologicals/interferon_beta-feron.html
英語は上記論文から。
upper respiratory tract infections (URTIs) 上気道感染症
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
trigeminal nerves 三叉神経
sneezing くしゃみ
“The major cell monitoring the host for the invasion of pathogens is the macrophage, which has the ability to trigger an acute phase response when stimulated with
components of viruses or bacteria— e.g., viral RNA and bacterial cell wall components.”
invasion 侵入、侵略
pathogen 病原体
macrophage マクロファージ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B8
acute phase 急性期
e.g. = for example
inflammation 炎症