半導体微細加工の解説サイト

半導体微細加工について参考になるサイトがようやく見つかりました。明日の講義に図や動画が欲しかったので助かりました。

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広告があまりないこのサイトがどうやって収益を上げているのか不思議ですが、SPONSORSがたくさんあり資金をもらっているのかもしれません。求人のページにたくさん載っているので、そこで収益があるかもしれません。
全てのページが英語か簡体中国語の選択になっているのがまた不思議です。中の人は米国シリコンバレーのようですが、大丈夫でしょうか。
DUV(deep ultraviolet 深紫外線, 通常はArFエキシマレーザーの波長193nmのコヒーレント光)マスクから波長の1/10やそれ以下のパターンを作る時にどうするか、明快な説明がありました。
パターンの端が光の回折でボケる問題は干渉を利用した「光近接効果補正(optical proximity correction, OPC)や「位相差マスク」を使うことでなくせます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Optical_proximity_correction
https://en.wikipedia.org/wiki/Phase-shift_mask
しかし、元のパターンよりも小さい構造を作るのは難しそうです。それを解決するのが、self alignment double (またはtriple, quadruple) patterning (SAD(またはT,Q)P)と呼ばれる方法です。

Self-Aligned Double Patterning, Part One

Self-Aligned Double Patterning—Part Deux


これは、より一般的には multiple patterning と呼ばれる技術の一部のようです。wikipediaに日本語のページがないのは、その部分の教育が不足しているからかもしれません。明日、しっかり講義します。
https://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_patterning
これを見る前は、波長限界以下の構造を作るのにフォトレジスト感度の非線形性を使っているのかと思っていました。それも使っていますが、穴の端における物質の堆積速度の非線形性(穴の端からの距離の関数として)を使っていることになりますね。確かにそのほうが楽に小さいものが作れます。
論文を調べると、東京エレクトロンがいろいろ発表しているようです(有料なので詳細は不明)。
物質の選択や露光、エッチングプロセスのパラメータ探索に気の遠くなるような手間がかかりそうですが、微細化を頑張る価値はあるので、やっているのでしょう。
装置メーカーとしては、ウチの装置ならここまで小さいのができる、というデモを発表するのは営業活動ですね。半導体メーカーは隠したいでしょうが、二回露光とエッチングを繰り返すpitch doubling は半導体メーカーのMicron Technologyの発明として発表されています。駆け引きを想像すると面白いです。
※ 半導体微細加工で「〇nm」というのは実際の寸法ではない、という話は明日。

英語は https://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_patterning から。
“Multiple patterning is a class of technologies developed for photolithography to enhance the feature density.”
feature 容貌、特色、主要な点 level 2 日本語にない概念で、ニュアンスをきちんと把握して使えるようになるべき単語です。  ここでは構造という意味でしょう。動詞としても使います。
 weblio例文から。 This phone features a high-resolution camera. 「搭載している」
 The article features interviews with several experts. 「特集している」
  article 記事 experts 専門家
 a salient feature 特徴  salient セイりエント は「顕著な」 「とがった」 level 11 a salient angle は180度未満の凸角。
 a geographical feature called a bay 湾という地形
 the autotracking feature 自動追尾機能
“Sometimes a feature pattern inherently contains more than one pitch, and furthermore, these pitches are incompatible to the extent that no illumination can simultaneously image both pitches satisfactorily.”
 inherently 生まれつきの ここでは「設計自体からくる」くらいでしょうか
pitch 間隔
 incompatible 同時に作れない、並び立たない
to the extent that ~となるくらいに
“A more serious concern was the effect of feature-to-feature positioning errors (overlay). Consequently, the self-aligned sidewall imaging approach (described below) has succeeded this approach.”
concern 懸念
feature-to-feature positioning errors 構造どうしの位置合わせの誤差
 consequently, (副詞ですが接続詞のようにつかいます) したがって
 succeed とって代わる

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