量子ドットの高密度励起

量子ドットの性質として、光励起が高密度に行われた場合に特異な現象が起こることがあります。
一つは励起子分子や励起子液滴と呼ばれる励起状態の集合体です。半導体では光励起状態は、価電子帯にできた正孔と伝導帯にできた電子がクーロン力(静電気力)で緩く結合してエネルギーが少し下がった状態「励起子exciton エキシトン、エクサイトン」を作りますが、高密度に生成すると集合体を作って特異な性質を示します。半導体量子ドットでは作られた励起子が拡散していくことができずに無理やり密集します。これによって光の屈折率などの光学的性質が変わるので、光で光を制御する光演算機などが作れると考えられています。量子コンピュータにを実現する一つの道筋です。
下記は光を介さないで励起子液滴と分極で量子コンピュータを作るという話です。
https://www.nature.com/articles/s41534-020-0244-x
もう一つは、高いエネルギーの光を吸収して、低いエネルギーの励起状態が複数できることです。これは励起子分裂 exciton fission と呼ばれており、強い蛍光発生や、太陽電池で紫外光をあてたときに2倍の電流が取り出せて発電効率の向上につながるなどの応用が考えられています。有機分子でもこれらは起こりますが、励起状態を作ると反応性が高くなり一定の確率(例:アミノ酸分子を紫外光で励起すると1%程度)で壊れるので、化学的に安定な無機ナノ粒子(半導体量子ドット)が使われます。
最近の有機物と2次元物質の論文を挙げておきます(ただで読めるので)。半導体量子ドットの論文もたくさんあります。
https://www.nature.com/articles/s41467-021-21719-x
https://www.nature.com/articles/s41467-017-01298-6
他にもいろいろあると思いますが、エネルギーが高い状態を狭いところに閉じ込めると逃げ場がないので、というのは共通しています。中東情勢と対比すると不謹慎でしょうか。ガザ地区では人口密度と出生率が高いことが指摘されています(4.7人)。
https://www.sankei.com/article/20231023-VNP4TPKLNBDPVOHZKGF6QSDOKQ/?525016
英語は 液滴に関するもの

liquid 「り」クイド 液体
droplet / drop しずく(滴)
trickle 滴り落ちる トリクルダウンtrickle down 効果があるかどうか、というのは数年前議論になりました。
teardrop 涙のしずく
dewdrop 露のしずく デュー
drop お菓子のドロップはこれです。 liver-oil drops 肝油ドロップ
dollop 「ド」ろップ 粘土、バター、ジャムなどの少量の塊 level 15 a dollop of whisky ウィスキー一滴、 a dollop of jelly ゼリーひと塊
drip 滴りおちる、おちさせる 名詞で しずく、点滴、コーヒーのドリップ  The tap’s dripping. 水道が滴っているよ。Her hair was dripping. 髪がびしょぬれだった。
 At the hospital they put me on a drip. 病院で点滴された。
glob (LDOCE) a small amount of something soft or liquid that has a round shape 丸い、柔らかいか液体の小さいもの =しずく
globule 小滴、丸薬(既出)

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