ウクライナとロシアの争いが膠着状態に陥っている中でイスラエルとハマスの戦闘が勃発し、世界がきな臭くなっていますね。金曜日の読書の西行の解説書は今回源平の争いにさしかかっています。平清盛と西行は同い年で、西行が高野山に庵を構えたのは平清盛の働きかけがあったという説があります。源平の争いは国家を二分する内乱で、多くの人がなくなっています。この解説書は、「戦争は地獄で、人間の愚かさの表れである」とたびたび書いています。西行は平清盛による強引な福原遷都や内乱に関して多くの和歌を詠んでいます。
福原へ都うつりありときこえしころ、伊勢にて月歌よみ侍りしに
雲のうへやふるき都に成りにけりすむらん月の影はかはらて
“Above-the-Cloud-Ones”— a name for courtiers of a capital that is no longer, but still true of the brilliant moon, which, unchanging, remains in place.
courtier 「コ」ーティア 宮廷につかえる人 level 17
死出の山 越ゆる絶え間は あらじかし なくなる人の数続きつつ
There’s no gap or break in the ranks of those marching under the hill: an endless line of dying men, coming on and on and on….
rank 通常は「階級、ランク」ですが、ここでは横列、兵士たち です。
下記の歌を挙げて出家の動機は武士であることが耐えられなくなったためという解釈を提示しています。
たらちをの 行方も我も 知らぬかな 同じ炎に むせぶらめども
I wish I knew / the fate of my father, /
and I’d like to know too if his place/
in flames will also be mine.
好み見し 剣の枝に のぼれとて しものとの ひしをみにたつるかな
Swords on which my eyes / once fastened with delight are /
here branches of trees/ ascended by bodies being flogged /
by barb-studded whips.
flog 鞭打つ level 16
barb 逆さに生えたとげ、コイやナマズのひげ
stud スパイク、鋲を打つ studless tires スタッドレス タイヤ
※争いがあると、生命を守るのにエネルギーを使うので、芸術や研究など高度なことができなくなり先人が築き上げた文明が後退・崩壊してしまいます。「なぜ人を殺してはいけないか」という問の一番簡単な答はこれだと思います。