金曜日の「夏への扉」は11章・12章で大団円となります。31年間冷凍睡眠で過ごした後、タイムマシンで31年前に戻ってから親しい少女リッキーを探して10年後に冷凍睡眠に入るように促します(「そうしたらお嫁さんにしてくれる?」「もちろん」)。それから31年後の2001年に体験した状況(ライバル社のロボットが市場を制覇しており、その特許は自分の名前で登録されている)になるようにロボットの改良、特許取得、ライバル会社設立などを大車輪で行った後、冷凍睡眠に入ります。ここで主人公が2人、同時に冷凍睡眠に入っているはずです。冷凍睡眠から覚めた後、1人はタイムマシンで過去に戻り、もう一人はリッキーの冷凍睡眠の目覚めを飼い猫と一緒に迎えに行きます。ここで時間の流れが主人公にとってはループすることになります。冷凍睡眠の時間差で10年間年齢差が縮まっているので、主人公とリッキーは31才(?)と21才で結婚します。源氏物語の紫の上(年齢差~10歳)を連想させる結末です。
この小説は、日本のSFファン投票ではしばしば1位ですが、本国アメリカでは上位ではあるものの1位にはならないそうです。この結婚を気持ち悪いと思うかどうかの差がありそうな気がします。
さて、来週からは、西行法師の「山家集」の英訳を読んで短歌の情景がどう英語に移されるかを鑑賞してみましょう(気が変わらなければ)。
英語は本文から。
happy end 日本語訳は 大団円(だいだんえん)。https://gogen-yurai.jp/daidanen/
“I held Pete and soothed him while they gave him the first sedative… I was frantically anxious to get back to 2001.”
soothe スーず なだめる level 6
sedative セ「デ」イティヴ 鎮静剤(の) level 11
frantically < frantic 気が狂いそうに level 6
be anxious to ~したいと思う
“I had my notes on Twitchell recovered. Then I wrote and told him I had made it and returned via cold sleep … and apologized abjectly for having ‘doubted’ him. I asked if he wanted the script when I finished. He never answered so I guess he is still sore at me. But I am writing it and I’ll put it in all major libraties even if I have to publish at my own expense. I owe him that much.”
abjectly < abject 「ア」ブジェクト level 12 救いがたい、見下げ果てた apologized abjectly for で ~を平謝りに謝る
be sore at ~ に怒っている have a sore throat 喉が痛い
publish at my own expense 自費出版する
owe 恩義を負う I owe him that much. まったく彼のおかげだ。