超弾性(擬弾性)

金属線を曲げるところを考えましょう。ゆるく、すこしだけ曲げると元に戻りますが、急角度で大きく曲げるとまがったまま元に戻らなくなります。元に戻らる場合を弾性変形、もとに戻らない場合を塑性変形と言います。弾性変形の範囲(弾性限界)を超えると塑性変形が起こると考えることができます。超弾性(擬弾性)とは、ある種の物質を大変形しても塑性変形が起こらず、もとに戻る現象です。通常の弾性は、弾性限界まではフックの法則で変形に比例した力が働きますが、超弾性はフックの法則から外れます(大変形の場合、力は緩やかにしか増えない)。仕組みは原子レベルですが、説明は明日にして、先に応用を見ていきます。いちばんよく見る例は、歯科矯正で歯に取り付ける金具(のワイヤー)が超弾性合金です。ほぼ一定の力で元の形に戻ろうとするので、時間をかければ歯を動かすことができます。
https://my.clevelandclinic.org/health/treatments/24601-teeth-braces
超弾性ワイヤを歯に張り付ける必要があり、取付の板は金属の場合もありますが、歯と同じ色のセラミックもあるようです。
https://my.clevelandclinic.org/health/treatments/23568-clear-braces
他の応用としては、バネが考えられますが、あまり見ませんね。実は加熱に弱いからかもしれません。

英語は、歯科用語を見てみましょう。
tooth 歯
teeth < toothの複数形
toothache 「トゥ」ーすエイク 歯が痛いこと、歯痛
dentist 歯科医師
dentistry 歯科
orthodontics 歯科矯正(きょうせい) (eでなくoのようです。どうでもいいことですが、難しい英語の試験には出そうですね)
orthodontist 矯正歯科医
malocclusion 不正咬合 マるオク「る」ージョン malは「悪い」の意味。
brace 歯科矯正具で、歯に接着する部分をこう呼ぶようです。一般には、留め具のこと。他の意味として、動詞で「支える、つっかえ棒をする」  飛行機の安全説明のとき “In case of emergency, brace for impact.” というアナウンスがありますね。もう一つ 数学記号で”{}”をbracesと言います。日本語は「中かっこ」
かっこの種類 (parentheses) [brackets] {braces}  量子力学では “<”をbra, “>”をketとよぶので(Diracの記法, bra-ket notation or Dirac notation)、たぶん”<>”のかっこもbracketです。
caries (dental caries) 虫歯、齲歯(うし) cariesはカリエス。
spinal caries 脊椎カリエス、結核菌が脊椎を侵す病気。
Bacillus tuberculosis 結核菌  tuberculosis チューバク「ろ」ウシスは結核。TBと略される。
歯槽膿漏 alveolar blennorrhea; alveolar pyorrhea; pyorrhoea alveolaris
pyorrhea パイオ「リー」ア 膿漏 level >20
alveolar 肺胞の、歯槽の level 17 肺胞と歯槽はだいぶ違うと思いますが…
alveoli アルヴェオり 肺胞(複数形) 単数は alveolus ラテン語で、小さい空洞 little cavity、だそうです。
halitosis 口臭 level 20

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