The Door into Summer(9) サスペンスとヘタウマ

金曜日は「夏への扉」を読みながら「時間」について考えていますが、今週は余力がないので第8章の解説にとどめます。第8章は3つの動きがあり、一つは冬眠前に猫好きの少女リッキーに郵送した、乗っ取られた自社の株券の行方、もう一つは現代で使われている自動ロボットや自動製図機の特許を取り寄せたところ、全く覚えていないのに自分の名前で特許が成立していたこと、一つはタイムマシンの登場です。この話のタイムマシンはエジンバラ大学(コロラド山中の米軍の研究所に招聘)の偏屈なトゥイッチェル(Twitchell)教授により発明されました。このタイムマシンの面白いところは、2つのほぼ同じ質量の物体(生物でもよい)を一つは過去に、一つは未来に送り込むという機能しかない、というところです。現在との時間の隔たりは制御できるが、2つの物体のうちどちらが過去(未来)に行くかは決められない、という設定です。売れる物語(映画、漫画など)には「サスペンス」の要素が必要である、というのを漫画家が論じているのを最近読みました。「夏への扉」も謎解き、サスペンスの要素がありますね。

話は飛びますが漫画家は絵がうまいだけではダメ、「ヘタウマ」などいろいろなタイプがいて、研究者集団に似ていると思います。特に、「自分は才能があり必ずうまくいく」という根拠のない自信があると有利である(下記では、漫画家になるための条件である、とのこと)という点で類似性を感じます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4778038193

“Okay, so I’m responsible for the other one. I didn’t do it .. unless I’m completely mixed up about my own life before I took the Sleep. Unless I’ve got amnesia.
amnesia 記憶喪失、健忘症

“But you don’t seem to have any open circuits. You’re no crazier than is normal in an engineer.” だけど君には断線個所は見つからないね。君は技術者として普通のクレージーさ以上ではないと思う。

I pondered it. ‘I’m going to pay a psychiatrist to dig it out of me.’ He sighed.
ponder 「ポ」ンダー 熟考する、よく考えてみる
psychiatrist サイキ「ア」トリスト 精神科医
sigh サイ  ため息をつく、ため息

‘It’s a mere by-product of NullGrav – that’s why they classified it.’
‘But, hell, NullGrav is declassified.’ それ(タイムマシン)は無重力技術の副産物に過ぎない。だから奴らは機密扱いにしたんだ。 でも無重力技術は機密解除になったじゃないか。

a guinea pig モルモット

My ears roared and I almost fainted. ‘Thank God!’
… ‘Hmm. I guess there’s no harm in telling you one more thing. It might save you a trip. She’s already checked out.’
roar 吠える、咆哮する
faint 気絶する、(スポーツ)フェイントする

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