リンは多数の同素体をもつことが知られています。wikipedia は最近は信頼しても大丈夫なので、詳しい情報は下記を見るといいと思います。
https://en.wikipedia.org/wiki/Allotropes_of_phosphorus
白リン(別名 黄リン) P4分子の結晶 発火点30℃、皮膚につくと猛毒
赤リン P4分子が頂点同士で1次元につながったもの。通常はアモルファス。摩擦で発火するのでマッチに使う。また、プラスチックの難燃化剤に使う(燃えたとき難燃性のポリリン酸がプラスチック表面を覆って酸素を遮断するため)。
http://www.rinka.co.jp/products/flame-retardant/advantage.html
しかし水分で腐食性のリン酸を生じるので、いいかげんにつくると導体間の絶縁劣化による発火などの問題があります。下記、事故例です。
https://www.nite.go.jp/data/000088111.pdf
紫リン 固体結晶。バンドギャップ1.7eVの半導体。原子数層からなる単位層に剥離可能
黒リン 固体結晶。2原子層からなる層状構造。半導体。
原子あたりの価電子が5個と変な数なので、特に安定な結合形態がないのでいろいろな構造をとるのだといえるでしょう。これは、周期表で15族のAs, Sb, Biにも言えることです。黒リンの構造は15族、および14族と16族の1:1化合物(SnSなど)によく見られます。
グラフェンのように単位2原子層だけ取り出すと、室温で最高の移動度を示す半導体になるのではないかという理論予測があり、2原子層を作ってデバイスにする研究が行われています。
https://www.nature.com/articles/s42254-019-0043-5
リンの場合のグラフェンに対応するものは、phosphorene フォスフォレン と呼ばれます。
英語は上記wikipediaから。
“Red phosphorus can also be used in the illicit production of methamphetamine and Krokodil.”
illicit イ「り」スィット 非合法の、不法の、ご禁制の level 11
metahmphetamine and Krokodil どちらも非合法の向精神薬(覚せい剤)です。下記解説は恐ろしいです。
https://logmi.jp/business/articles/119107
“Violet phosphorus does not ignite in air until heated to 300 °C and is insoluble in all solvents. ”
ignite イグナイト 発火する
igneous rock 「イ」グネアス 火成岩 level 18
flame retardant 難燃化剤
flame フれイム 炎
retardant リ「タ」ーダント 遅らせるもの < retard 遅らせる
insoluble イン「ソ」りゅブる 不溶性の
corrosive コ「ロ」ースィヴ 腐食性の level 11
corona virus コロナウィルス
coronal 王冠の level 15
colossal 巨大な level 10 colossal magnetoresistance 巨大磁気抵抗