有機リンの毒性、特に硫黄とリンがつながるとヤバい

リンは生体に不可欠な元素で、エネルギー通貨として使われるATPがなくなると生きることができません。リンを扱う酵素は3種類あり、試験に出そうですね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Phosphorylase
phosphorylase A-B + H-OP <-/-> A-OP +h-B
phosphatase P-B + H-OP <-/-> P-OH + H-B
kinase 「カ」イネース 日本語はキナーゼ  P-B + H-A <-/-> P-A + H-B
植物にリンが不足すると、生育が悪くなりねじれたりするそうですが色はあまりかわらず(青っぽくなる)、気づきにくいですが、トウモロコシなどでは葉の縁が紫色になるので分かるそうです。ススキなどイネ科の雑草で土地によって縁が紫色になるのがありますが、あれはどうでしょうか。
さて、有機リン化合物の中にはコリンエステラーゼ阻害剤になるものがたくさんあり、農薬として開発されました。しかし、毒性が強すぎる、発がん性があるなどで合成や使用が制限されている化合物もたくさんあります。特に、リン酸中の酸素原子が一部硫黄原子に置き換わった有機リンであるチオリン酸エステルはたくさん開発されましたが、VXなどきわめて危険なものもあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB
農薬は国によって扱いが違うものもあるのでやっかいです(冷凍餃子事件で有名なメタミドホスなどは許可されている国もあります)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%89%E3%83%9B%E3%82%B9
最近の硫化物電池など、硫黄とリンを反応性が高い状態で同時に扱う機会が増えています。まず大丈夫だと思いますが、有機溶媒で洗った時の反応で毒物が微量生じる可能性はちょっと意識したほうがいいですね。チオリン酸エステルはアルカリでつぶせるようなので、リチウム等が入っている電池の場合は心配は少ないです。

英語は https://en.wikipedia.org/wiki/Methamidophos から。
organophosphate 有機リン
insecticide イン「セ」クティサイド 殺虫剤
pesticide 駆除剤、殺虫剤  cide は「殺す」です
“Pesticides are substances that are meant to control pests.[1] This includes herbicide, insecticide, nematicide, molluscicide, piscicide, avicide, rodenticide, bactericide, insect repellent, animal repellent, microbicide, fungicide, and lampricide.”
repellent リ「ペ」らント はじく、忌避する
fungi キノコ、カビ
rodent げっ歯類
herbicide 雑草を枯らす薬
crops 穀物
“In 2009, all uses in the United States were voluntarily canceled.”
2009年に米国での使用はすべて自発的に取りやめられた。
“Sunlight accelerates breakdown.” 日光で分解が加速される。
accelerate 「ア」クセらレイト 加速する
highly hazardous ハザダス 危険な
“Methamidophos was found in dumplings manufactured in China for the Japanese market after a number of consumers became sick.”
dumplings 餃子

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