過酷な環境にさらされる構造物(例:飛行機、橋など)は金属疲労の検査が行われます。通常の金属製品は結晶粒の大きさが1~10ミクロン程度の多結晶の集合体で、変形を繰り返していくと、原子が動くことにより結晶粒が合体して大きくなりながら粒と粒の間に隙間ができて亀裂が成長します。これが金属疲労です。空気中の酸素と反応する金属(銅など)の場合は変形を繰り返すと硬くなってきます。添加物を加えたり、熱処理によって結晶粒の大きさを制御したりするのが冶金(やきん)の技術になります。ジェットエンジンのタービンの羽根(ブレード)など過酷な環境で耐久性が必要な部品は、ブレードの形の鋳型に入れてメートルサイズの単結晶を作って使います。
単結晶にするためにはpig tailという構造を使います。
さて、金属疲労を調べるために定期検査が行われます。主な方法は下記(pdf注意)に解説があります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/reajshinrai/29/6/29_KJ00004684322/_pdf/-char/ja
・磁性 磁性体の場合は、傷が磁化する(閉じていた磁気回路が開く、すなわち、磁石の端が表面に現れる))
・渦電流 金属でないと使えません。形状が複雑だと難しい
・浸透法 塗料を塗ってふき取る
・X線
・超音波 ソナーのように使えます。
https://www.youtube.com/watch?v=TejAVtFN9RI
小さい装置で板の横にあいた穴が上から見えるのはすごいです。
などです。CFRPに使えそうな方法は明日。
英語は 傷 に関連する言葉と今回の専門用語です。
wound ウ「ウ」ンド level 1 傷 an old wound 古傷 wind(屈曲する、巻き付く)の過去分詞も同じつづりですが、ワウンド と発音します。
injury インジャリ けが
scratch ひっかき傷
graze, abrasion, 擦傷 すりきず
bruise ブルーズ 打ち身、打撲傷、心の傷、果物の打った傷(あたり)
scrape こする、擦り傷 level 6
scar スカー 傷跡、爪痕、心の傷 level 5
trauma トローマ 外傷、精神的外傷 level 9
concealed/internal hemorrhage コン「スィ」ーるド/イン「タ」ーナる 「ヘ」モラージ 内出血
internal bleeding 内出血
metal fatigue 金属疲労 「ファ」ティーグ
polycrystal 多結晶
grain boundary 粒界
crack 亀裂
cleavage 亀裂、劈開(へきかい)
fissure フィッシャー 裂け目、割れ目、裂溝 level 11
rhagades 「ラ」ガーデズ 亀裂、唇のひび割れ、切れ痔
metallurgy メタ「る」ールジ 冶金 金属学
turbine blade タービンブレード
harsh/severe environment 過酷な環境
durability 耐久性 形容詞は durable デュラブる
template, cast, die, mold 鋳型
eddy current 渦電流
non-destructive testing 非破壊検査