鉄筋コンクリートの強度を高めるには鉄筋を引っ張りながら固める

砕けやすい物質に繊維を入れることによって、強度が増すのは鉄筋コンクリートを考えればわかると思います。引っ張る力が均一にかからないで一部に集中することが割れる原因なので、鉄筋を入れることにより力を均一化すれば壊れにくくなります。
コンクリートは引っ張ると割れてしまいますが、押しつぶす力には強いです。そのため、コンクリートが固まるときに鉄筋に引張る力(ひっぱり応力)をかけておいて、固まってから引張をやめると、コンクリートには鉄筋が縮むことにより押しつぶす力がかかります。このようにして作られたコンクリートををprestressed concrete / pre-tensioned concrete というそうで、引っ張る力がかかる橋等に使われます。たわみが少なくなるので割れにくくなるという見方もできます。

鉄筋や繊維は、引張るとまっすぐになって伸びるので、その物質の弾性定数そのものが強さに反映されますが、縮めようとするとたわむので、力を支えることができません。糸を引っ張ったり押し縮めたりすることを考えるとわかるでしょう。炭素繊維は引張に非常に強いです。鉄と同等、鉄の1.5倍、などと言われます。

今回の潜水艇をCFRPで作ったのが無謀だったという説は、水中では圧縮応力がかかることと、一般に繊維が圧縮力を支えるのが苦手であることから来ていると思いますが、真偽については、CFRPの繊維は編んであること、プラスチックに埋まっていること、チタンが加えてあったことなどがどのような効果があるかもう少し検討したいです。

英語は https://www.sciencedirect.com/topics/materials-science/prestressed-concrete から
concrete 「コ」ンクリート コンク「リ」ート 両方ありますが、コンクリート(製の、で施工する)、の時は前アクセント。具体的な(=definite and specific) は両方可。
abstract アブスト「ラ」クト 抽象的な 「ア」ブストラクト 要約
“The modern development of prestressed concrete is credited to Freyssinet of France, who clearly showed the effect of concrete creep and shrinkage and in approximately 1928 demonstrated that by the use of high-tensile steel the losses in prestress could be kept down to reasonable proportions.”
be credited to ~に帰せられる、~の考案になる
creep ずれ
shrinkage 縮み <-> expansion 伸び
dilate 「ダ」イれイト 広げる、膨らませる level 11
dilation 膨張
dilute ダイ「り」ュート 薄い
swell 膨らむ
swelling 膨張
stretching 伸ばすこと
increment 少しずつ増やす(こと)、増加量  「イ」ンクリメント level 15
accumulation 加算、蓄積
high-tensile steel 「テ」ンサイる 高張力鋼

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