Also Sprach Zarathustra(9)永劫回帰とタイムマシンSF

先週金曜日はお休みしましたが、Zarathustraを続けましょう。今週は以前予告したように趣向を変えて、永劫回帰をモチーフにしたSFを紹介します。タイムマシンを扱ったものは必ずループの問題が出てきます。確証はありませんが、ニーチェを意識しているのではないか、という描写に気づくことがあります。確認する時間がないので、下記はかなりうろ覚えです。
・Isaac Asimov: The end of eternity 永遠の終わり 1955
タイムマシンの発明によって、タイムパトロールが発足し、悲惨な現象が起こらないように歴史の流れが制御されるが、一般の人はそれを知らない。結局、未来にわたって歴史が固定され、人々は”Eternity(永遠)”と名付けられた固定された歴史を生きることになる。主人公を含めた人々は閉塞感を味わっている。それに気づいた主人公がタイムパトロールと戦い、Eternityは破壊され、人々は自由を得る。かなり面白かった記憶があります。
ふだんの暮らしが他者に制御されているという点で、映画Matrixに似た雰囲気がありますね。
私は学生の時Asimovの原書で英語を勉強しました。何冊か読むうちに、どんどん読むのが速くなってうれしかった記憶があります。同名のセガのゲーム(2010)があるようですが、ストーリーは全然違いますね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89_%E3%82%AA%E3%83%96_%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3
・宝樹:三体X 観想之宙 2017
10次元宇宙の生命体の争いから現在の宇宙が作られたというものすごい話ですが、終わりのほうに宇宙創成から終焉までを永遠に同じように繰り返すかどうかという問題が出てきます。作者は哲学専攻の大学院生の時にこれを書いたということなので、ニーチェを意識して書いたと推測します。劉慈欣「三体III」の謎解きを目指した二次創作版。中国語を本気で勉強する必要ができたらこれでやろうと思っています。
・Robert A. Heinlein: The door into summer 夏への扉 1955
タイムマシンSFの嚆矢(こうし)で、「どらえもん」のヒントになったともいわれています。2021年に日本で初めて映画化されました(筋は同じだが原作と時代や人物は変わっている)。タイムトラベルと冷凍睡眠が組み合わさって時間の一部が永遠に繰り返すループになっています(解釈による)。

技術革新で食料生産のために必死で働かなくてもよくなったためか、作家の数・本の数は増えているので、最近のものもたくさんあると思います。(とくに漫画にあるだろうと推測しますが、多すぎて追いかけることができません。古い例では「百億の昼と千億の夜1965→漫画1977」も一部に永劫回帰の要素が入っていたと記憶しています。

英語は上記から単語を拾ってみます。
Asimov 日本語では アシモフ と書かれます。1920-1992
azimuth 「ア」ズィマす 方位角 (極座標 r θ φ のφ)  θは極角 polar angle、 rはradius です
asymptote 「ア」スィムトート 漸近線
eternity エ「タ」ーニティ 永遠
eternal 永遠の
time paradox タイムパラドックス 発音は「パ」ラドックス です。 
loop ループ
proof 確証、証明
from the creation to the end of the Universe 宇宙創成から終焉(しゅうえん)まで
riddle solving なぞとき
sense/feeling of entrapment 閉塞感 エント「ラ」ップメント
hibernation ハイバー「ネ」ーション 冬眠
cold sleep 冷凍睡眠
pioneer パイオ「ニ」ア 嚆矢 

あと数回でZarathsutraは終わります。次はSFの古典もいいかもしれません。

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