撮像管とコピー機の感光ドラムの類似性

HARP管のもととなった撮像管は真空管の一種です。1927年にP.T. Farnsworth(ファーンズワース)が低感度の実験に成功、実用化に成功したのはV. K. Zworykin(ツヴォルキン)です。今はほとんど使われませんが、天才的な発明の一つだと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%92%AE%E5%83%8F%E7%AE%A1
今のデジタルカメラは画素ごとに電線がつながっていて一つ一つの画素に当たる光の強度を直接電気的に測定できますが、微細加工技術がないときにどうしていたかわかりますか?
コピー機の感光ドラムは、帯電させておいて光が当たったところの電気抵抗が下がるので電荷が失われ、光が当たっていないところだけにトナー粒子がつくのでした。撮像管は、画像表示に使うブラウン管の蛍光体のかわりに光によって電荷蓄積(明日)や光伝導が起こる物質が塗ってあり、そこに流れる電流を取り出す電極がついています。ブラウン管では、一端から発射された電子ビームが2組の電極がつくる電場によってXYの2方向に走査され、特定の位置XYの蛍光スクリーンを特定の強度(電子ビームの強度を変える)で光らせることにより像を出します。光伝導を利用した撮像管では、アモルファス半導体で光が当たったところに電子ビームが来た時には電気抵抗が低いので電極を通して電流が流れ、光が当たっていないところでは電気抵抗が高いので電極には電流が流れません(電子は反射される)。この原理により、微細加工しないで画像信号を得ることができます。ブラウン管と撮像管が表裏一体の発明であることがわかるでしょう。もとになっているのは以前紹介したP. Nipkow(ニプコウ)の走査線の原理です(1883年、23歳で発明、XY座標の情報が時間の情報に変換される)。

英語は https://en.wikipedia.org/wiki/Video_camera_tube から拾ってみます

video camera tube 撮像管  tubeは真空管のこと
raster scan 走査
cathode ray tube 陰極線管 = CRT = Braun tube ブラウン管、 Karl Braunが発明
retina 「レ」ティナ 網膜
“After Hungarian engineer Kálmán Tihanyi studied Maxwell’s equations, he discovered a new hitherto unknown physical phenomenon, which led to a break-through in the development of electronic imaging devices. ”
Hungarian ハンガリア(人)の
hitherto 「ヒ」ざートゥ それまでに
phenomenon フェ「ノ」メノン 現象  複数形はphenomena
break-through ブレークスルー
a minute globule 微小な粒 minute マイニュート 微小な  globule 小滴、微小液滴、丸薬
minute ミニット 分 とminute マイニュート 微小な はつづりが同じですが発音が違います。
“the silver layer had broken up into a myriad of tiny isolated silver globules.”
myriad 無数(の) ミリヤッド level 9

Leave a Comment

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA