今週来週の2週間でアモルファス半導体の応用について紹介しようと思います。広く応用されているのはコピー機などの感光ドラムですが、今週はその発展形のレーザープリンターも調べてみましょう。月曜の世界の研究所は、レーザープリンターが発明されたxerox Webster Research Center(ゼロックス、米国ニューヨーク州ウェブスター)にします。
https://xeroxnostalgia.com/2020/04/06/xerox-webster-campus/
普通紙の複写機を発明したのは、米国のChester F. Carlson(1906-1968)で、光伝導という現象をコピーに使えないか試行錯誤して、亜鉛板上の硫黄薄膜の帯電が光によって失われることを利用して、部分的に感光させてから粉(胞子)を吹き付けると原版通りのパターンができることを示したのが最初です(1938年)。助手はいたようですが、自宅の研究室ですね。この方式を「電子写真」と言います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3
その特許を青写真複写機の会社Haloid Companyが買って、xeroxという商標で売り出しました(1950, その後社名もxeroxになる)。Carlsonが本気で取り組み始めてから15年、原理の発明から製品化まで12年かかっています。xerox 914は1959-77年にわたるロングセラーになりました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Xerox_914
英語は上記サイトから
普通紙複写機 plain paper copier
“The culmination of inventor Chester Carlson’s work on the xerographic process, the 914 was fast and economical.”
culmination カるミネーション 頂点、最高潮、極致、南中 level 11
inventor 発明家
physicist-lawyer 物理学者兼法律家 「ろ」イヤー は弁護士と訳しますが、意味は広いです。 CarlsonはCaltech卒業後はBell研の特許部門にいて、退職後に発明家になったそうです。ここでは法律家、くらいでしょうか。
日本語の「弁理士」は patent attorney ア「ト」ーニー
attorney 代理人、(事務)弁護士 level 4
“The machine xerox 914 required a large technical support force and had a tendency to catch fire when overheated.” 過熱すると発火する傾向があった
“The xerox company provided a “scorch eliminator” which was actualy a small fire extinguisher, along with the copier”.
fire extinguisher 消火器
along with 一緒に
Ralph Nader ラルフ・ネイダー(1934-) 米国の社会運動家。1965年ころからの消費者運動で政府を動かしたことで有名。そのころまだ30歳だったとは驚きです。
‘…a technical representative from Xerox had warned her(インタビューされた秘書) “not to be afraid of the 914 because the machine would sense her fear and, like a mischievous child, misbehave.”’
ゼロックス社の技術者は、「914を怖がらないでください。機械は恐怖を感じ取って、いたずらっ子のように悪さをするかも知れないので」と秘書に警告したとのこと。
mischievous 「ミ」スチヴァス いたずら好きな、わんぱくな、茶目っ気のある、人を傷つけるような (意味の幅に注意。日本語の「いたずら」よりも悪い感じです) level 7
misbehave 間違ったふるまいをする、悪さをする。