電炉による製鉄

製鉄は奥が深いです。色々調べていると疑問点がたくさん出てきます。さて、「電炉」というのがあり、鉄スクラップから鉄を再生するのに使われます。
http://www.fudenkou.jp/about_04.html
原料は鉄鉱石と違ってすでにほぼ還元されているので、融解することと不純物を除去することが主要な機能になります。溶接に使う「アーク放電」を使って温度を上げて鉄を溶かします。アーク放電は、ほとんど接触している金属同士の間に大電流を流そうとすると隙間の空気を介して放電が起こること。身近には、電池を導線で負荷に接触させるときに「パチッ」と火花が散るのがそれです。電灯のスイッチの火花や、突入電流がある機器、例えばACアダプターをコンセントにさすときの火花もこれです。「棒溶接」という技があって、還元剤を塗った鉄の棒に電源をつないで動かすだけで空気中で鉄骨などをきれいに溶接できます。私は一昨年講習を受けましたが、難しい技で、実技はかろうじて合格点でした。

さて、電炉の問題は、電極に炭素棒を使うことです。炭素は3000℃まで耐えるのが主要な理由だと書いてありますが、電炉は蓋があって軽く密閉されているので、残った酸素が炭素棒と反応してCO2に変わって酸化を防ぐのだと思います。したがってCO2発生源になるので炭素税では嫌われそうです。日本には電炉に使う炭素棒のメーカーが3つあります。緻密な炭素棒を作って酸化や炭化物生成が起こりにくいようにするのが技術力です。買収などにより世界展開を進めているようなので、長期的にはちょっと心配です。炭素棒はアルミの電解に使うのもあるのと、ほかの炭素材料にも展開しているので大丈夫だとは思いますが・・・。
https://www.tokaicarbon.co.jp/products/graphite/
https://sec-carbon.com/products/graphite_electrode.html
https://www.carbon.co.jp/products/graphite/
通常の高炉を使った鉄鉱石の還元では、石炭を蒸し焼きにしたコークスを還元剤に使うのでCO2が大量発生します。グリーンな電力で作った水素による還元や、Boston Metalの溶融塩電解法が注目される理由です。
https://www.jisri.or.jp/recycle/technology.html

英語は、上記から単語を拾ってみます。
scrap スクラップ LDOCEでは 1. a small piece of paper/cloth 2. old objects that are no longer used for the purpose they were made for, but can be used in another way 3 scrapsで、食べかす 4 a small amount of information 新聞のスクラップ 5 a short fight or argument
arc discharge アーク放電
remove impurities 不純物を除去する
almost in contact with each other ほとんど接触している
gap 隙間
“crackle” of sparks パチッと火花  これはdeepLが出してきた訳ですが、LDOCEでは crackle = to make repeated short sounds like something burning in a fire 火がパチパチいう音、なので よさそうですね。 level 11
inrush currents 突入電流
a steel frame 鉄骨
a lid 蓋
acquisition アクイ「ズィ」ション 買収
merger マージャー 合併
a dense carbon rod 緻密な炭素棒

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