マキャベリ (7) 慕われるより恐れられる方がいいが、筋を通し、憎しみは受けるな

今週はちょっと山場でしたが、おかげさまで無事乗り切りました。今週のマキャベリは16章17章で、彼らしい皮肉の利いたことを言っています。多少翻案してまとめます。
・君主は気前がよいよりもケチといわれる方がよい。いざというときに資金不足で仕事ができなかったり、重税を課さなければならないよりは、不人気を我慢して、支出を切り詰めて余裕を持つべきである。
・慕われるのと恐れられるののどちらがよいか。両方が不可能ならば、恐れられる方が良い。統制が効かなくなって皆を不幸にするよりは、一罰百戒のほうがよい。それというのも、人間は恩知らずで移り気で、危険にあうと逃げるが転んでもただは起きないもの。利益があると味方になるが、いざ生命財産の危機になると離反する。だから君主は国民の言葉を心から真に受けると破滅してしまう。
・慕われず恐れられるのはいいとしても、憎しみだけは受けないようにしなければならない。罰や負担を与えるときは、筋が通るようにして行えば、憎しみは避けられる。特に、他人の財産には手を付けないようにすべきである。
・カルタゴのハンニバルの軍は多人種の入り混じった大軍だったがトラブルはなかった。その統率力はハンニバルの鬼畜さながらの残虐性と底なしの有能さに由来していた。一方ローマのスキピオは部下に情けをかけすぎて一時離反を招いた(後年、ザマの戦いでハンニバルに勝っています)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/スキピオ・アフリカヌス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%9E%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

liberality 気前の良さ
parsimony どケチ、極度の倹約 「パ」ーシモニ level 18 形容詞は parsimonious
persimmon 柿  パー「シ」モン 音が似ていますが、arとerで、語源も違います。
stingy ケチな、みみっちい level 11
cruelty 残虐さ クル「エ」るティ
mercy 慈悲 マースィ
“When he recognizes this, and wants to draw back from it, he immediately incurs the infamy of meanness.”
ひとがこの状況に気づくと、そこから逃げ出そうとして、すぐに卑劣であるという不名誉を背負うことになる
incur (負債を)負う、招く イン「カー」
infamy 不名誉 「イ」ンファミ infamous 不名誉な 悪名高い「イ」ンファマス
meanness 卑劣、卑怯 ミーンネス  meanは形容詞で「卑劣な」の意味があります。
Senate 米国の上院、ローマの元老院 「セ」ネット
revolt リ「ヴォ」ウルト 反逆する、離反する
dissension 離反
inhuman cruelty 人間離れした残虐さ
infinite virtues 底なしの有能さ

Leave a Comment

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA