今週はSeleniumの話から始まりましたが、確かにセレンは水銀の解毒剤(antidote)として最近も論文が出ています。ただし、無機水銀と無機セレンを動物の体内で混ぜると不溶性になり毒性が無くなると言った初期の研究の後は、長期の微量暴露については、水銀濃度の高い環境下で仕事をしている人の血中セレン濃度が低い、という測定結果の他は推測が多いように見えます。セレンは人間にとって必須元素で、グルタチオンペルオキシダーゼという活性酸素を分解する酵素の活性部位です。これについては
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC
などに解説があります。アミノ酸であるシステインのSがSeに置き換わったセレノシステインが重要で、
反応はセレノシステイン部位で起こる。Se-が静止状態である。セレノシステイン部位はペルオキシドによってSeOHに酸化される。SeOHはGSH(グルタチオン、Glu-Sys-Glyトリペプチド分子)と結合してSe-SGとなり、別のGSH分子によってSe-に戻り副生成物としてGS-SGを遊離する。
GS-SGは別の酵素により還元されて、GSHに戻ります。Seがちょうどよい反応性を持っているようです。興味深いですね。
英語は、-oteがつく言葉
antidote 解毒剤 「ア」ンティドウト
cote コウト 家畜小屋 level 13
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quote 見積もりを取る、見積もり
coyote 動物のコヨーテ
anecdote (ロシア語) 小話、アネクドート
aliquot(e) 「ア」りクオト 一定分量 level 18 化学の論文のexperimental で見ます。