マーチンの鉄仮説の実験結果は下記に良くまとまっています。
https://ippjapan.org/archives/1265
まとめると下記です。
・鉄散布の有効性は認められ、1990年代当時のCO2排出量の25%を吸収するポテンシャルがあることが分かった
・2週間で植物プランクトン数に顕著な効果があるという即効性
・CO2吸収効果のためには、最終的に炭素が沈降して出てこなくなる必要があるが、動物プランクトンの数などに左右されるので不安定
・植物プランクトンは増えすぎると「赤潮」「アオコ」なので、制御できない場合は危険。特に漁業への影響。
・関連実験は、海洋への廃棄物投棄に関するロンドン条約(2006年に強化)で規制されることになり、商業目的(魚を増やす)などのための鉄散布は禁止。許可された研究は行われている。
下記もいい文章です。
https://aslopubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lob.10078
大気中CO2濃度の問題は今後どうなるかわかりませんが、海のCO2吸収ポテンシャルと少量の鉄が効くことは繰り返し話題になると予想します。気温を下げるだけなら成層圏にエアロゾルをまけばいい(大噴火のように)、という話も出てくるかもしれません。
英語は https://aslopubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lob.10078
gangway バスや劇場の座席間通路、船の乗り口、臨時通路
plight of the fishing community 漁業コミュニティの苦境
be smitten < smite スマイト 魅了する、感動させる、打ち負かす level 11
The instrumentation was antiquated. 機器類は時代遅れのものだった
An old atomic absorption spectrometer was all that he had at his disposal. 好きに使えるのは古い原子吸光装置だけだった。
parochial 教区の、狭い、偏狭な level 11
The change in leadership culture was palpable and reforming. 訳がむずかしいですね。リーダーシップのあり方が変わり、改革が進んでいたことは明白でした。 palpable 明白な、実感できる 「パ」るパブる
a strong underdog research culture began to emerge.
zooplankton 動物プランクトン
If these hypotheses were correct, this would lead to a corollary: large-scale, purposeful iron enrichment could help control atmospheric CO2 by sequestering it in the deep ocean.
purposeful 「パー」パスフる 意図的な
sequester スィ―「クェ」スター 隔離する 隠退蔵させる、仮差押えする level 12
corollary (数学用語)定理から導かれる「系」 コ「ロ」らリー
※たとえ、はじめは研究環境が悪くても、よい研究所にできるという例だと思います。