マキャベリ「君主論」は、ロレンツォ・デ・メディチへの献呈の辞と26章からなっています。1章ずつ読むのは歴史背景が難しいので、私なりに面白い言葉を背景付きで抜き出していきましょう。その方向で書かれた本は既にあり、塩野七生の「マキアヴェッリ語録」で、いろいろな本から文章の一部だけを抜粋しているものですが、面白いです。
メディチ家はフィレンツェの銀行家として成功したのち政治家となり、フィレンツェを支配していましたが、フランスとの紛争に敗れてフィレンツェを追放されました。その後マキャベリが共和国の官僚・外交官として活躍しましたが、近くの港湾都市ピサの併合に失敗してスペインの介入によりメディチ家が復帰しました。その際にマキャベリが猟官運動のため提出したのが「君主論」です。15~16世紀のイタリアはルネッサンスの登場人物や都市国家、ローマ教会、外国の攻防があり、日本の戦国時代に匹敵するドラマがあります。「信長の野望」のようなゲームがあるかなと思って
https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Video_games_set_in_Italy
を調べたところ、
https://en.wikipedia.org/wiki/La_Abad%C3%ADa_del_Crimen
が唯一、時代設定が14世紀です。現実の話ではなく、有名な小説「薔薇の名前」のゲーム化のようです。
英語は英訳本(The Prince, translated by H.C.Mansfield Jr.)の第3章から
“So you have as enemies all those whom you have offended in seizing that principality, and you cannot keep as friends those who have put you there because you cannot satisfy them in the mode they had presumed and because you cannot use strong medicines against them, since you are obligated to them.”
enemy 敵
offend 怒らせる、攻撃する 反対語が defendです。
seize 占領するする
principality 君主国
presume 想定する、考える、ひそかにあてにする
strong medicines 和訳では「劇薬」となっています。
obligate 義務を負う ここでは受け身で「恩義を受けている」?