昨日解説したように、お金の総量は増える動機はあっても減る仕組みはないので、増え続けています。ちょっと前に流行ったThomas Piketty「21世紀の資本」には、古い記録からさかのぼって調べて導いた”r>g”という経験式が載っています。rは資本収益率、gは経済成長率で、資本を持っていると経済成長率以上に増える、ということです。
https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2018/2018_115.html
「富めるものはますます富む」が事実であることを言っていますね。私の素人考えでは、この背後のメカニズムはお金の総量が増えることと関係があると思いますが、不勉強で説明を見つけられません。
さて、最近の日本は貿易収支が赤字に傾きつつあり、燃料・原材料・食料を輸入する支払いのほうが、工業製品などを売る売り上げよりも大きくなっています。日本はもはや貿易立国ではない!大変だ!と思いますが、経常収支は黒字です。https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg202202.htm
これは日本が外国に投資しているお金が利益を生んだ分が乗っているためで、”r>g”を国レベルで実践していると言えます。個人では税金で再分配されますが、国には税金がないので、その分を国連等に拠出したり、災害などがあるたびに無償援助したりしているのだと思います。国際秩序が破壊されて投資(現在350兆円くらいが対外純資産のようです。それで年間20兆の利益が出ているのでたいしたものです)が凍結されたりするとたいへんです。今のところ、できるだけ味方を増やしつつ現状維持しながら新産業を立ち上げていく方向が楽だと言えるでしょう。
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/iip/data/2020_g.htm
英語は、上記駄文のDeepL翻訳から
” the total amount of money continues to increase because there is no mechanism for it to decrease, even though there is an incentive to increase.” incentive という単語を選んできたのがいいですね。
経験式 an empirical formula エン「ピ」リカる 「フォ」ーミュら
In my layman’s opinion, 素人考えでは 通じると思いますが、ちょっと直訳すぎる気もします。layman (れイマン)は非専門家、聖職者などに対する一般人のこと。In my opinion as a non specialist くらいか?
I am uninformed and cannot find an explanation. 不勉強なので…の訳としてはちょっと変な気がします。 I am sorry that I am not better informed /I wish I had more knowledge about …
日本はもはや貿易立国ではない。Japan is no longer a trading country.
貿易収支 trade account (balance) 貿易収支赤字(黒字) trade deficit(profit)
経常収支 current account (balance)
国際収支 international balance of payments