一人当たりGDPと社会実験

昨日は経常収支(外国からの収入)が年間20兆、その大部分が投資収益で、これを維持するには国際秩序の維持が必要、という話でした。が、年間20兆円は1億人の国民一人当たりにすると年間20万円で、生活を維持できる額ではありません。人口が少なければ、例えばルクセンブルクのように、それだけで食べていけるのだと思います。重要なのは一人当たりGDPで、日本は年間400万円です。この額が減って国別順位が落ちていることを嘆く人がいますが、高齢化で働き手やその労働強度が減っているので自然なことのように思います。GDPは給料の総和と言ってもよく、国内分の仕事も含みます。国内分だけでGDPを勝手に増やすことができるかどうか、は多分まだわかっていません(例えば、 贅沢な食事をたくさん作ってみんなで買うようにすると一人当たりのGDPは上がり、生活水準も上がります。ただし国内で資源や労働が完結する必要があります)。どうやって実現するかは政策の実験が行われつつあります。貨幣を人工的に膨張させる金融緩和の実験は日本でここ数年行われましたがインフレ率は上がっていないので、効き目がないことが分かったのだと思います。ベーシックインカムはフィンランドで行われて効果があったという話です。
https://www.kela.fi/web/en/news-archive/-/asset_publisher/lN08GY2nIrZo/content/results-of-the-basic-income-experiment-small-employment-effects-better-perceived-economic-security-and-mental-wellbeing
次は公共投資を増やしたらどうなるかという実験をするかどうかという話になるでしょう(リフレ派の議論)。いずれにしても、資源のない日本では海外因子の関与は避けられず、工業やサービスが衰えて輸入に頼るようになると海外資産が回収されて減少し、投資所得が無くなるので、加速度的にまずい状況になると思います。その点では技術者の役割は重要です。証券会社や商社の給料が高いのは、350兆から年間20兆円を生み出す投資の利益率(年6%)が関係しているのではないでしょうか。技術者も負けないように利益を上げればいいと思います。最近はソフトウェアのように一度作ってしまえばコピーにより増産コストがほぼゼロの製品が多くなってきました。ソフトだけでなくハードも売り切りでなくサブスク化が進んでいるのも面白い傾向です。技術者が利益の主体になる日も近いと信じたいです。

今日はmoneyの類義語から
Luxembourg ルクセンブルグ 人口63万人、一人当たりGDP約1500万円
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/luxembourg/index.html
bill 請求書
capital 資本
cash 現金
check 小切手
fund 基金
property 財産
salary 給料
wage 日当
wealth 富
banknote 紙幣
current account 当座預金
promissory note 約束手形

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