マネーの総量の膨張

今週はIMF(国際通貨基金)から始めたので、お金の話をしましょう。私なりの理解なので、間違っているかもしれません。技術の話と違って誤っても大きな危険はなく、皆さんが自分の経験から間違いを見つけるのも楽しみだと思うので、恐れず進めます。
現在のお金は紙幣や硬貨以外の、帳簿にしかない、いわゆる「マネー」が圧倒的に多いです。
https://data.imf.org/?sk=B83F71E8-61E3-4CF1-8CF3-6D7FE04D0930
に国別、年次別 monetary stock の詳細があります。
お金(金融)の大きな役割として、「信用創造」があります。
「発明をしたので工場を作りたいが、手持ちのお金がない→銀行に借りるか株式を発行する→儲かったら返したり配当したりする→お金は元に戻る」
がうまくいくときの流れですが、うまくいかない人が多数出ると借りるお金がなくなり、金融システム自身が止まってしまいます(不況、恐慌)。20世紀に人類は何回か痛い目にあって、不況時はお金を増やせばその場しのぎができることを見つけました(ケインズなど)。増やす動機はあるが、減らす動機がないため、お金の量がどんどん膨れ上がっているのが現在の状況です。20世紀初頭は金本位制の理論が優勢で、金(gold)の存在量でお金の量が決まっていたため、1929年の大恐慌への対応が遅れました。日本では金本位制に固執した首相と(元)蔵相が不況の恨みを買って暗殺(1931,32)され、不幸な時代への道を開いてしまいました(真面目で熱心な人たちだったとされていますが、間違った理論のため不幸を招きました。「地獄への道は善意で舗装されている」の実例でしょう)。
仮想通貨BitCoinは、発行量が有限(21,000,000BC)のため、金本位制に似た欠点があると指摘されています。ブロックチェーン(すべての取引記録の分散帳簿)方式では、通貨発行量を増やすと計算量が増えるので、金融システムの主役にするのは使い勝手が悪いと思います。先週破綻した仮想通貨 terra & luna はネズミ講類似でうまくいく理由がなかったとの批判もあり、新しさを謳う社会装置には注意が必要です。

不況 depression
恐慌 panic
好況 boom
貨幣 currency 「カ」レンスィ
金融 finance ファイナンス
信用創造 credit creation, creation of credit
ケインズ John Maynard Keynes (1883-1946)
ケインズ経済学 Keynesian economics
借金 dept デット
貯金 deposit
株式 stock
配当 dividend「ディ」ヴィデン
金本位制 gold standard
地獄への道は善意で舗装されている。 The road to hell is paved with good intentions.  
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93%E3%81%AF%E5%96%84%E6%84%8F%E3%81%A7%E8%88%97%E8%A3%85%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B
仮想通貨 virtual currency, cryptocurrency
ネズミ講 ≒ ポンジ・スキーム  ponzi scheme  
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%A0

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