機械学習による酵素の改変

昨日のPET加水分解酵素の論文にはアミノ酸の入れ替えの効果を機械学習で調べるのに MutCompute という自作AIを使ったと書いてあります。
https://mutcompute.com/
3D convolutional neural network で、neighboring chemical microenvironment of amino acids を調べるということですが、なんのことかわかりませんね。
下記論文がアイデアの発端のようです(open accessで無料で読めます。 pdf)。
https://bmcbioinformatics.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12859-017-1702-0
3次元構造とその部分の疎水性、溶媒の近づきやすさ、変形のしやすさ、水素結合の強さなどとの相関をニューラルネットワークで見つけるようです。3次元情報として、空間を格子点で代表させ、その点から同心球殻で区切って含まれる原子のリストを入力しているようです。3D neural networkの方法は、空間中のもっと大きな構造の認識(人のジェスチャーの意味解析やデザインなど)にも応用されているようです。

3次元データへの深層学習の適用



さて、
酵素を大量生産してPETゴミに混ぜるのと、この酵素を作る細菌を(餌とともに)PETゴミ処理場で増やすのとどちらが効率的かというと後者だと思いますが、ゴミ処理場から外に出て繁殖したら生態系に影響がある(植物の蝋(クチン)を壊す)とともに、PETボトルが保管中に腐る現象が起こるかもしれませんね。酵素の大量生産にも遺伝子改変した細菌を使うと思うので、実用には何らかの安全装置が必要に思いますが、どうでしょうか。論文では50℃で分解させているので室温保管なら大丈夫かもしれませんが…

phenotype 表現型 複雑な概念のようです。またの機会に解説します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E5%9E%8B
安全装置 safety mechanism
ゴミ処理場 waste/garbage treatment plant
餌 bait ベイト (わなにつける餌、誘惑) この場合はfood, nutrition 等のほうがいいかもしれませんね。
繁殖する breed, propagate, reproduce, multiply, proliferate(増殖する)
核拡散防止条約 Nuclear Non‐Proliferation Treaty
生態系 ecosystem
遺伝子改変 gene mutation
酵素 enzyme
実用 application
保管中に腐る rot/spoil in storage

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