世界の研究所 米国 National High Magnetic Field Laboratory (国立強磁場実験施設)

今週の世界の研究所は、米国 National High Magnetic Field Laboratory (国立強磁場実験施設)です。Florida State University とLos Alamos National Laboratoryに設備があります。米国はこのようにいろいろな地方大学に国立研究所の設備を併設しています。これは地方大学に活力(予算面(間接経費が大学を潤す)と優秀な学者)を与えるいい考えで、日本もすこしずつその方向に動いているように思います。Florida State Universityの施設は院生まで含めると300人いるそうです。
https://nationalmaglab.org/
動画はこちら。行ってみたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hI3qz9zSnEo

https://en.wikipedia.org/wiki/National_High_Magnetic_Field_Laboratory
によると、1989年にこの設備ができるときに、MITのFrancis Bitter Magnet Laboratory+Iowa大学+Wisconsin 大学+Argonnne国立研究所のチームと予算獲得を争って、MITはそれが通らなければ歴史あるビッター研究所を縮小する(phase out)と争ったが、負けたそうです。
Francis Bitter(1902-1967)は砂鉄を板の上にばらまいて、裏から磁石を近づけると磁力線が見える「ビッター図形 Bitter pattern」コイルの代わりに穴あき板を使って超強力電磁石を作るビッター板(Bitter plate、上記Youtubeにでてくる多数の穴があいた円盤)の方法を開発した先駆者です。
Florida State University は超伝導と改良型常伝導Bitter板(Florida Bitter)の組み合わせによる45T(テスラ、磁場の単位)の連続磁場の世界記録を持っています。また、105㎜の径900MHzのNMR(21.1T)があり、MRIの研究を行っているそうです。
Los Alamosにはパルス磁石があり、100T瞬間型や60Tの長時間型があるそうです。電源は1.43GWモータ発電機(一瞬だけ)や64MW電源を備えているそうです。100MWが原発一基分と覚えておくといいですが、それに匹敵しますね。
今週は磁場発生技術について解説します。

英語は上記研究所サイトから
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abg1110
collective 集団的
indistinguishable 区別できない
their constituent particles それらを構成する粒子 コンスティ「テュー」エント
“Pulsed magnets are under such intense pressures when they are energized to high magnetic fields that they simply wear out after a certain number of pulses and must be replaced.”
intense pressures 強い圧力(コイルを広げる力がかかります)
wear out 摩耗する
capabilities 能力
resistive magnet 抵抗がある磁石→常伝導磁石のことでしょう

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