金曜日は読書(今は M. Sandel 著 Justice)をすることにしていますが、今週はいろいろ立て込んで準備が間に合わないので、金属資源の話の続きにします。リチウムイオン電池の関係で、いろいろな元素が各国取りあいになっています。
・リチウム 湖が干上がった場所が効率の良い鉱山になります。チリのウユニ塩湖が有名ですが、他にもあります。
https://www.his-j.com/tyo/zekkei/uyuni/
価格はここ3年で10倍になっています。私も実験でリチウム(電池ではない)を使うので、頭が痛いです。
https://tradingeconomics.com/commodity/lithium
日本の商社はかなり以前からリチウム鉱山開発に目をつけていて、優先権を取得しています。当然利益も上がっています。いずれ取り上げますが、現在の日本の国富は製造業だけではなく、このような「先読みの力」も大きく貢献しています。若い人は柔軟な発想で、若くない人はリスクを負った決断で、明るい未来をつくりたいですね。
・コバルト 正極材料にLiCoO2が使われます(←発明者のJohn Goodenough教授は2019年のノーベル化学賞)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E9%85%B8%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0
産出が偏っていて、量も少なく、しかも政情不安定なところがあるので問題があります。「コンゴ民主共和国、カナダ、ザンビア、ロシア、オーストラリアの生産量上位5カ国合計で世界全体のコバルト生産量の80%強を占めており、産地が偏在しているレアメタルである」
http://resource.ashigaru.jp/cobalt_3.html
価格は2018年に投機でピークを付けたのち一旦下がりましたが、また上がっています。
https://tradingeconomics.com/commodity/cobalt
・ニッケル コバルトは希少で高価なので、正極にニッケルを含む酸化物等が使われます。下記は「ニッケル協会」という団体のページなので、少し割り引いて考えたほうがいいですが、実際ニッケル酸化物は正極材料として盛んに使われています。
https://www.nickel-japan.com/magazine/blog_200221.html
産地はロシア、カナダ、ニューカレドニア、オーストラリア、インドネシア、キューバ、中国、南アフリカ、ドミニカ共和国、ボツワナ、コロンビア、ギリシャ、ブラジルだそうです。地政学的に心配な場所もありますね。
現在の価格はここ数年の底値の2.5倍くらいです。
https://tradingeconomics.com/commodity/nickel
英語は、https://en.wikipedia.org/wiki/Cobalt から
“Cobalt in inorganic form is also a micronutrient for bacteria, algae, and fungi. ”
cobalt 「コ」バるト bとlを間違えないように。vやrにすると通じません。
algae algaの複数形 「ア」るギ 藻類
fungi fungusの複数形 「ファ」ンギ 菌類
specific gravity 比重 (おぼえること!)
relative permeability 比透磁率
“Cobalt has been used to color glass since the Bronze Age. The excavation of the Uluburun shipwreck yielded an ingot of blue glass, cast during the 14th century BC.”
bronze age 青銅器時代 BC3000-2300~BC1200-400ころ(地域によって違う。日本のように、石器→鉄器になった地域には青銅器時代はない)
excavation エクスカ「ヴェ」イション 穴掘り、開削、発掘(されたもの)level 12(6000語レベル)
shipwreck シップレック 難破船
yield 産出する 有機合成「収率」の英語はyieldです
ingot インゴット(塊 かたまり)
cast 型で整形する