今週は世界の飛び地を見て回ろうと思ったのですが、ノーベル賞の週でもあるので、飛び地は来週に回しますか(まだ迷っています)。
とりあえず、今日は医学生理学賞のタンパク質を見ることにしましょう。
欧州のデータベースはアクセス集中のためか、遅くなっています。日本のタンパク質データベースを見ましょう。
温度を感じるイオンチャンネルが下記で、いろいろな温度で構造解析がなされています。クライオ顕微鏡(ヘリウム温度まで試料を冷やして高分解能で観察)のデータが今年出ていますね。収差補正測定が可能になったということでしょうか?私が学生のときはまだ分解能が悪くて大まかな構造しかわからなかったのですが、原子位置がタンパク質分子1個で決められるとすればすごいですね。いずれ調べて解説します。とりあえず、下記で3D構造を見ると(見出し画像でもわかりますが)、温度で構造が大きく変わってるのが分かります。
https://pdbj.org/search/pdb?query=TRPV1
カプサイシンの影響の解説が下記です。トウガラシで熱く感じるのは作用するのが同じイオンチャンネルだからですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hO79I9eXShE
圧力を感じるイオンチャンネルが下記です。これは構造変化の情報は載っていないようです。”style”という邪魔なタブが出たら、”hide”を選ぶと消えます。分子動力学シミュレーションが有効でしょう。
https://pdbj.org/search/pdb?query=piezo1
https://pdbj.org/molmil2/#fetch%206bpz;%20repr%20bu;%20style-if%20bu;
youtube はアクセス集中のようです。
https://www.youtube.com/watch?v=mrrzxhmwvK0
これらは、医学への応用はあまりないように見えます。鎮痛剤は痛みをもたらす炎症(損傷の副次的効果)を伝達するプロスタグランジンの生成を抑えるもので、直接これらイオンチャンネルに働くわけではありません(下記解説では、直接圧力や温度を感じるのと、プロスタグランジンが並列的)。トウガラシのカプサイシンはリスは感じるが、鳥は感じないというのが面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=lEQyLR6UBW0
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2021/advanced-information/ から
noxious heat 「ノ」クシャス 有害な熱
innoxious イ「ノ」クシャス 無害な (反対語も覚えましょう)
vertebrate 「ヴァー」タブレイト 脊椎動物
invertebrate イン「ヴァー」タブレイト 無脊椎動物 (反対語も覚えましょう)
The identity of the receptors for somatic mechanosensation in mammals thus remained an enigma.
somatic 身体の (精神に対して) level 12
mammals 哺乳動物
enigma エ「ニ」グマ 謎 (第二次大戦時のドイツの暗号の名前でもある)
enigmatic 謎の、謎に満ちた
(謎肉(なぞにく、カップ麺に入っている乾燥加工肉)の英訳は mistery meat のようです)
proprioception 自己受容性感覚 (体内で起こった変化を感じること)
elusive エ「るー」シヴ 捕まえどころのない
ectopic expression 異所性発現
sequence homology 配列の類似性(相同性)
sensory センソリ 感覚の