大気圧プラズマを使ったおもちゃを見つけました。
電圧は10000V以上出ているはずです。繰り返しの短いパルスとして高電圧を発生させて放電を起こしています。電流の総計が弱いので大丈夫なのだと思います。また、短いパルスは導体の内部には侵入しないことも寄与しているかもしれません(表皮効果)。人間に流して痛みを感じるのは1mA程度なので、それよりもずっと低いことが保証されれば使ってもいいかもしれません。溶接の講座で習ったのは、25mA流れると生命に重大な危険があるという話でした。下記の記述もおおむね一致しています。
https://www.sankosha.co.jp/basic-lightning-protection/effect-on-human-body/
こういう場合は巻き数比の大きいトランスで昇圧しますが、磁気飽和、漏れ磁束をうまく利用すると確実に電流を制限することができます(明日解説します)。マイコンなど演算により電流制限もできるでしょうが誤動作の時に危険なので、物理的に確実に制限したいです。
上記おもちゃは下記(中国の会社)で通販されています。よくできたおもちゃですが、事故が起こったときの対応はどうするのでしょうか。個人輸入すると日本の法律(電気用品安全法)は適用にならないと思われます。難しい時代ですね。電気用品安全法(電安法)は、業(ぎょう)として製造・輸入・販売する場合の事前審査の義務(PSEマークを付与)と、不具合があったときの流通差し止め命令を定めています。審査するのは経産省傘下の財団のようで、こういうのをきちんとしているのが日本の特色の一つでしょう。
また、放電開始時(各パルスごと)は、10000Vに加速された電子が存在すると思うので、X線が発生します。これも十分弱いと思いますが、法律の網をかけたいところです。通常のX線関連の法律は労働安全衛生法>電離放射線障害防止規則なので、これも家庭で個人的に使うときは引っかからないかもしれません。
https://www.enginediy.com/products/tesla-flat-coil-high-voltage-discharge-equipment-experimental-desktop-toy-model?_pos=2&_sid=424842a7e&_ss=r
https://www.jqa.jp/service_list/safety/service/mandatory/pse/
おもちゃ toy
表皮効果 skin effect
電気用品安全法 electrical appliance and material safety law
PSEは Product Safty, Electrical Appliance & Materials と英語ですが、米国ではANSI S2 codeという別の名前の規則ですね。
流通 distribution 流通産業 distribution industry
mandatory 必須の
voluntary 自発的な
lightning 雷
業(ぎょう)として行う do something on a regular basis, in the couse of trade
労働安全衛生法 Industrial Safety and Health Act
電離放射線障害防止規則 Ordinance on the Prevention of Ionizing Radiation Hazards