CO2を電気で還元する方法は研究途上ですが、過電圧や反応速度、選択性の問題があります。個人的には高分子電解質(米国3M社、下記CRDSレポートを参照)が面白いと思います。
太陽光・太陽熱発電で得られた電力を貯めるために、水の電解で水素を作る方法が先行しているので、水素とCO2を反応させて還元する方法が有力視されています。既存のプロセスの改良でできることも利点です。各段階でいろいろな反応があるので覚えておくといいでしょう。
逆シフト反応 CO2+H2 → CO+H2O
Fischer-Tropsh reaction (FT反応)nCO+(4n+2)H2 → C_n H_2n+2 + nH2O 触媒はFe,Co,Ru系
サバティエ反応 CO2 + 4H2 → CH4 +2H2O
水性ガス反応の逆 H2+CO → C+H2O
水蒸気改質反応の逆 CH4 +CO2 → 2C + 2H2O
下記が、電気化学還元との比較等を含め、最近の動向をよくまとめてあります。CRDSは政府の科学系シンクタンクです。
https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2019-RR-05.html
セラミックに担持した金属ナノ粒子など不均一系触媒が用いられ、高効率・長寿命にするため研究が行われています。
今年になって、通常は液相で均一系触媒として用いるイリジウム錯体を固相でCO2気体の水素による還元に用いると高効率であることが産総研から報告されています。斬新で興味深いです。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210114/pr20210114.html
触媒 catalyst 「キャ」タリスト
不均一系触媒 inhomogeneous catalyst
均一系触媒 homogeneous catalyst
担持 support
電気分解 electrolysis
過電圧 overpotential
高分子電解質 polymer electrolyte, ionomer アイ「オ」ノマー
水性ガス Water gas (wは大文字)
水蒸気改質 steam reforming
先行する 一語なら、antecendent アンテ「セ」ンデント (level 11), precede プリ「シー」ド (level 4)、precedent プ「リ」シデント(level 8) (形容詞と名詞が同じ)
a precedent 先例、判例
前置室 an antechamber (グローブボックスのエアロック部分の正式名称、「控えの間」の訳も) アンテ「チェイ」ンバー “ante-“はラテン語「前」です。”post-“の逆