稲がシリコンを集める仕組み

稲のもみ殻には乾燥重量の20%のSiO2が含まれているとのこと。”稲はシリカを何に使っているかというと、葉、茎を硬くして細くても力学的に強くすること、籾を外敵(虫など)に食べられにくくすること、また、水蒸気のバリヤ材として皮が薄くても過剰な蒸散を防げること、などと言われています。遺伝子改変でシリカが取り込まれないようにすると上記の機能が無くなり、稲にダメージがあることが実験で確かめられています。
稲がシリコン(無電荷のケイ酸 Si(OH)4)を集める仕組みは日本の農研機構によって解明されました。3つの膜タンパクがかかわっていて、受動的(ケイ酸だけを選択的に通す穴)、能動的(ATPのエネルギーを使って濃度勾配に逆らってケイ酸を輸送)両方あるようです。
https://www.nature.com/articles/nature04590
https://www.nature.com/articles/nature05964
https://kihara.or.jp/Ma.pdf (pdfです)
https://link.springer.com/article/10.1007/s11104-021-05061-1 今年7月の論文です。図が分かりやすい。まだ能動の方の仕組みはblack boxとのこと(H+の勾配をつかってアニオンを輸送するバクテリアのタンパクに形が似ていることしかわかっていない)。

蒸散 transpiration, perspiration  トランスピレイション
気孔 stoma(ストーマ 人工肛門、人工膀胱の意味もある), stomata(stomaの複数形), stigma(汚名、傷の意味もある), pore(孔(あな)の一般的な言葉)
遺伝子改変 genetic modification
遺伝子改変食品 genetically modified food
transporter 輸送体
putative 「ピュ」ータティヴ 推定上の、噂の
juxtaposition ジャクスタポ「ジ」ション 並列、並置
influx 流入
efflux 流出
Bryophyta コケ植物 (ケイ素を蓄積)
Lycopsida ヒカゲノカズラ (シダの一種、ケイ素を蓄積)
Equisetopsida トクサ類 (シダの一種、ケイ素を蓄積)→ 子供の時、年長者に教えてもらって自転車のさび落としに使っていました。今知りましたが、研磨剤入り植物だったというわけです。下記 wikipediaでは名前からして「砥草」だそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AF%E3%82%B5
Pteridophyta シダ植物
diatom 「ダイ」アタム 珪藻 (当然、ケイ素を蓄積)2つの原子と書いて珪藻と読むのですね。語源はdia(通して)+tom(切る)だそうですが(weblio)、顕微鏡画像の対称的な内部構造から?
http://www.u-gakugei.ac.jp/~mayama/diatoms/collection%20and%20cleaning.htm

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