今週の「世界の研究所」は、米国の度量衡(どりょうこう)標準局であるNIST (National Institute of Standards and Technology;昔のNBS (National Bureau of Standards))です。
https://www.nist.gov/
私は日本で毎年発行されるハンドブックの一部を担当しており、ここしばらく、夜中にこの一年に出た文献の調査をしていました。NISTは各種データベースを文献付きで公開しています。
https://www.nist.gov/pml/productsservices
私の担当部分でもNISTを参考にはしますが、有効数字の吟味や、彼らが取り入れていない文献や項目を入れて独自のものにしています。
NISTはU.S. Department of Commerce(商務省)傘下の機関で、首都ワシントンの近くメリーランド州にあります。
総予算は1000M$なので1000億円くらいでしょうか。日本で対応するのは産総研の標準部門でしょう。産総研全体の予算が1000億円くらいで、標準部門はその一部ですから、NISTのほうがずっと大きいと思います。
人数は専属が3400人、客員(大学や企業)が3800人です。産総研は職員5000人、外部の人を入れると10000人とのこと。
紹介の動画がありました。漫画のコマどりはいろいろ見ますが、わかりやすいですね。
英語は、
https://www.nist.gov/about-nist/our-organization/mission-vision-valuesから
industrial competitiveness コン「ペ」タティヴネス 産業競争力
equitable standards 「エ」クイタブる (level 12) 辞書だと「衡平法上の標準」ですが、「度量衡の標準」のほうが分かりやすいと思います。
rigorous traceability 「リ」ゴラス トレーサビりティ 厳格な追跡可能性
NIST leadership and staff will uphold these values to ensure a hgh performing enviroment that is safe and respectful of all. アップ「ホウ」るド 維持する ・・・全員を重視し安全で効率のよい環境を確保する
perseverance: We take the long view, …to ensure continued impact and relevance for our stakeholders.
これも訳しにくいですね。perseverance は辞書では「忍耐」ですが、見出しには変でしょう。「努力を続ける」「継続的努力」?
integrity: We are ethical, honest, independent and provide an objective perspective. “integrity”は「公正」と訳すことが多いです。objective perspective はそうですが、ethical,honest はやはり「倫理と正直」ですね。
inclusivity: We work collaboratively to harness the diversity of people and ideas,… 最近重視されている概念ですが、訳しにくいですね。「包括性」「参加性」も変ですね。「誰でも受け入れる」?
最近は、このあたりの「訳しにくい単語」の重要性が高くなっているような気がします。自動翻訳の時代に英語を勉強する意味はそこにもあるのではないでしょうか。
Posted in世界の研究所 技術・工学・物理・数学