最尤法

政府の「地震本部」に余震の確率計算法が出ていました。
https://www.jishin.go.jp/reports/research_report/aftershock/yoshin2_yoshin2/

Gutenberg-Richter則(大きな余震ほど数が少ない)や大森公式(時間とともに減る)が使われていて、パラメータの推定には「最尤法」が使われています。機械学習にも統計学用語をいろいろ使うので、7月末の講義のために英語を勉強しているところです。現代の統計学はちゃんと習った人は少ないかもしれませんが、知っておいた方がいいと思います。私が学生の時習ったものとはだいぶ違って面白くなっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%B0%A4%E6%8E%A8%E5%AE%9A
https://en.wikipedia.org/wiki/Maximum_likelihood_estimation
「尤」という漢字は日本語では統計学でしか使わないですね。漢字本来(中国語でも)は2つ意味があって、especially, particularly(とりわけ) と to blame(咎める)という意味だそうです。日本語では「もっともらしい = likely」という意味があって、それだけが残っているようです。
https://en.wiktionary.org/wiki/%E5%B0%A4#Chinese
中国語では「最尤法」とは言わないみたいなので驚きました。
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%A4%A7%E4%BC%BC%E7%84%B6%E4%BC%B0%E8%AE%A1

https://en.wikipedia.org/wiki/Gutenberg%E2%80%93Richter_law から
Mをマグニチュード、Nを頻度とすると N=10^(a-bM) が成り立ち、a,bは地域や時期(大地震からの経過時間等)によって異なる。
magnitude 大きさ、地震のマグニチュード
acoustic emission 音響放射
earthquake swarms 群発地震
swarm スウォーム うじゃうじゃした群れ
spatial and temporal variations 空間・時間に対するばらつき
The b-value decrease observed prior to the failure of samples deformed in the laboratory has led to the suggestion that this is a precursor to major macro-failure.
実験室での試料変形による破壊実験により、N=10^(a-bM)でbが減少することは、大破壊の前触れであることが示唆されている。(→大きめの地震が減るか(空白域?)、弱い地震が増えるかということだと思います)
But,application to earthquake forecasting is currently out of reach. しかし,現在のところ地震予知への応用には至っていない。
A new generalization was published using Bayesian statistical techniques,from which an alternative form for parameter b of Gutenberg–Richter is presented.  G-R則のパラメータbに対する別の形式を与えるベイズ統計の技法を用いた新しい一般化法が出版された(2018)。
alternative オるターナティヴ 別の、代わりの
※検証・実験が難しい分野ですが、地震予知のためにまだいろいろ研究されているようです。

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