オランダASMLと最近のリソグラフィ技術(3)

リソグラフィにEUV光源を使えば、高価なマスクの枚数をUV光源に比べて10分の1以下に減らせます。マスク交換・位置合わせの手間もその分減るので生産性も上がります。
EUV光源は波長13.5nm程度の極端紫外線(extreme ultraviolet)というより軟X線で、ArFレーザー(193nm)よりも1桁以上短いです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Extreme_ultraviolet_lithography
通常の物質は、いくら励起しても化学結合のエネルギーよりもずっと高いエネルギーを持つEUVの光を出すことはできません(化学結合が切れて壊れてしまう)。原子まで分解された物質である必要があります。液体のスズや液体キセノンなどのターゲットに高出力レーザーを集光させ、できたプラズマ(原子のイオンと電子の集合体)の高励起状態からの発光を使います。反射鏡として用いられるMo-Si多層膜の反射率が13.5nmで高いので、その発光線を持つスズが主流になりました。大部分の特許はASMLにおさえられています(日本国内380件)。
https://www.osa-opn.org/home/articles/volume_29/march_2018/features/euv_light_sources_for_next-gen_lithography/
動画はこちら


下の動画は2009年作です。装置が現実に使われるようになったのは去年からですので、工場を作り始めてから需要が立ちあがるまでに10年間かかっています。

液体スズを使うとき、常に一定の形状を液滴として供給するのが技ですね。日本勢は、国のサポートでウシオ電機やニコンが技術組合を作っていましたが、発光波長11nmのXe(高価!)を使おうとして致命的な遅れをとってしまいました。Xeは反射鏡を汚さないなどのメリットはあるのですが、Sn光源は発光効率がよく、その中性粒子は磁場、電場、高速回転する吸着板(光は通過できるが、Sn粒子は吸着される)で除去できる(特表2009-531854)ため大きなメリットではなくなっています。業界標準を決めるはずの国内半導体企業が激減したのも大きいです。残念ながら、EUV光源で日本が巻き返そうという動きはいまのところ見えません。

間隔 spacing
干渉 interferrence
露光 exposure
現像 development
定着 fixation
ぶれ blur ブらー
ぼけ Bokeh ボウカまたはボウケイと発音される。日本語から。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bokeh
シャッターチャンス photo op (=opportunity)
写真を撮る shoot
広角レンズで撮る shoot with a wide angle lens
逆光で顔が暗くなっています。 The face is dark because of backlight.
まばたき blinking
一部下記から。
https://priusshota.com/englishforphotographers

今回は専門用語はなしです。

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