Hillbilly Elegy(2):アパラチアの誇り高く貧しい正義の人々

金曜日の読書 “Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis”はいわゆる”rust belt”の白人貧困層の話です。米国の伝統的な価値観、年少者の教育で何が重要か、さらに「仕事がない地域に取り残されること」の影響、といった興味深いテーマについて考察することができます。15章構成で、著者(執筆時32才)の経験が書いてあります。 第1章は、アパラチア山脈周辺に住み着いた白人集落(Kentucky州Jackson町、人口6000人)が舞台です。アパラチア山脈は地理で習いましたが、…

Hillbilly Elegy(1) 解題

今週から金曜日は”Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis “を読みます。2016年のベストセラーで映画にもなりました。著者は米国共和党の副大統領候補のJ.D.Vance氏です。 産業空洞化によって勤め先が無くなったアパラチア山脈近傍の白人社会に育ったVance氏の32才の時の自伝です。米国社会の成り立ち、地域の産業が衰え貧しくなった時に何が起こるか、その状況での教育はどうすべきか、等、色々考えさせられる本です。 重いテーマですが、文体は明るく、心の苦痛なく読めます。英語表現も知らなかったもの…