ドン・キホーテ(2) 風車との闘い

今回から金曜日は「ドン・キホーテ」(Don Quixote) を英語で読んでいきます。皆さん概要は子供の時に読んででいると思いますが、スペインの田舎の郷士(土地と小作人を持った下級貴族)、40才、未婚、が騎士道小説を読みすぎて現実と物語の区別がつかなくなり、自ら騎士となって冒険に繰り出して周りを振り回しながら自分はたいてい痛い目にあう、というのを繰り返します。 改めて読んでみると、面倒を起こす一番の原因は、騎士道物語では城に泊まると無料だから、という理由で宿代を払わないことですね。最初の1週間の旅は一人+馬のロシナンテで出かけますが旅の商隊といさかいを起こしてけがをして動けなくなります。通りか…

ドン・キホーテ(1) 著者は出版後も困窮していた

今週から、金曜日は「ドン・キホーテ」(Don Quijote/Quixote) を英語で読んでいきます。もとは中世スペイン語(ホをxで書く)ですが、定番の英訳があるようなので使います。 Miguel de Cervantes Saavedra(1547-1616)著、Edith Grossman訳(2003)です。セルバンテスはシェークスピアと同時代人で、二人は同じ年に亡くなっています。 ドン・キホーテは2部あり、前編が1605年、後編が1615年に刊行されています。後編は前編がベストセラーになったことが作中に登場する面白い構成になっています。訳本の解説によれば、後編が書かれたのは、10年たっ…