低温メカの天国

D-Waveのハードウェアについても動画があります。本社内のデモ機の中身が見えます。低温メカ好きには天国のような研究所です。ビジネスとして動かせているのがうらやましいです。

15mKで動作するので、5K,1K,100mKのシールドステージがあり段階的に室温からの輻射熱を除去しています。ランニングコストを下げるため、気化したヘリウムの再凝縮機もあるでしょう。チップがコネクタも入れると手のひらサイズで思ったより大きくて驚きました。クライオスタット(低温環境の領域)もかなり大きいです。超伝導の輪に一部弱いところを作っておき(この構造をSQUID=超伝導量子干渉素子という)、右周りの電流と左回りの電流を上向きスピン、下向きスピンに対応させます。一部超伝導が弱いところに電圧をかけたりマイクロ波を当てることで相互作用を作り出します。RF SQUIDと言っていたので、RF(マイクロ波)も当てているのでしょう。
詳細はここから辿れます。
https://www.dwavequantum.com/resources/publication/tunable-coupling-of-superconducting-qubits/
https://arxiv.org/pdf/cond-mat/0207112
2つのSQUIDをコンデンサで結合(coupling)させておき、SQUIDに流す電流を変えることで結合の強さ(強磁性的、反強磁性的)を変えることができるというのが1つ目(Fig1)で、バイアス電圧をかけた2つのSQUID(電荷-位相qubit)をコンデンサで電流を流したSQUIDに結合させるという方法が2つ目(Fig3)です。2つ目の方が柔軟性があると思います。電圧や電流は、室温からのデジタル電圧信号で極低温に置いたDAコンバータから制御していると思われます。自社で作っているそうなのですごいです。
これは22年前の論文で、現在ではかなりハードウェアは確立されてきているように見えますが、まだまだアイデアの余地がありそうです。
明日は1つのスピンからみて相互作用を何個まで考えるかというネットワークの問題と、15mKを作る仕組みを解説しますか。

英語は coupling の類義語 https://www.merriam-webster.com/thesaurus/coupling
junction 結合
intersection 交差
connection 接続
joining 加盟、参加
joint 合弁
juncture 交差(時間的も) At this juncture 今の時点では
confluence 合流 fluence なので「流」です。
interconnection 接合
jointure 参加
link リンク
tie 結ぶこと、関連、結合
nexus つながり
articulation 分節
suture スーチャ 縫合(ほうごう)
abutment 境界、架台
seam つぎめ seamless 継ぎ目のない
union 組合、和集合

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