金曜日の読書は今週から”No B.S. Price Strategy: The Ultimate, No Holds Barred, Kick Butt, Take No Prisoner Guide to Profits, Power, and Prosperity” by Dan S. Kennedy & Jason Marrs を読みます。題名から分かりますが、経営コンサルタントによる「格調高さ」の対極にある本です。Youtube広告から見つけました。著者はwikipediaには載っていませんが、multi-billionaire だそうです。京セラの創業者の故稲盛和夫氏の名言に「値決めは経営である」というのがありますが、自営業/中小企業向けに自分の売っている商品やサービスにいくらの値段をつけるべきか、という「価格設定のやりかた」を解説した本です。この著者は30冊くらい本を書いていて、そこから自分のコンサルティングサービスに誘導して儲けているように見えます。明らかに怪しいですが、文章は面白いです。私も退職後に勝手な研究を続けるには何らかの資金調達をしなければならないのでいろいろ調べています。投資を受けるよりも(そもそも誰もくれないかも。少なくとも公的資金は退職後は無理です)、自分のサービスや製品で日銭を稼ぐ方が他人に迷惑をかける可能性が少なく安心ではないかと思っています。古き良き時代には、商業的に大成功した発明をした社員に終身の自由な研究室・スタッフと予算を与えた会社もあったようですが(例:ソニー)、いまは大規模にやっているところはないでしょう。そもそも私は大成功していません…
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/200603/06-025/
この本は短い22章から成ります。1章当たりの分量が少ないのもこの手の本には重要です。
序章は、なぜ価格設定が重要かについて述べています。価格(price)→利益(profit)→力(power)→繁栄(prosperity)→(価格に戻る)の循環が回るようになるため、ということで、新商品の開発には人材や費用が必要なので、そのために利益を上げるのは重要である、ということを言っています。
1章は、価格設定に失敗する原因として下記をあげています。
(1)教科書や業界水準、その他の標準に従うこと
(2)競合の低価格を気にしすぎること
(3)安値に惹かれる客ばかり引き付けること
(4)客が払ってくれる金額の上限に先入観(pre-determined belief system)があること
(5)同じような商品との比較を許すこと (Permitting apples-to-apples comparisons)
(6)差別化が不十分なこと(Insufficient differentiation)
(7)高価格のプレミアムオプションを提供しないこと
(8)経営上の計算について無視しているか愚かなこと
(9)自分や商売に自信がなく(poor self-esteem)、これ以上もらってはいけないという気持ちがあること
納得できるのではないでしょうか。
No B.S. = No bull shit = “no lies,” “no exaggeration,” or “no nonsense”. スラングです。「まやかし無し」 (No B… S…! いい加減なことは言わないでくれ!)
price strategy 価格戦略
no holds barred = without limits or controls, レスリング(wrestling)で、きめ技(holds)の制限(bar)がないという意味からきているようです。
kick butt = to punish someone or defeat someone with a lot of force, butt=ass はお尻です。これもスラングでしょう。
take no prisoner 捕虜をとらない = 条件なし という意味だと思います。
”Truly an example of my friend Foster Hibbard’s maxim: Go to the ocean with teaspoon or bucket; the ocean doesn’t care.”「(価格を)teaspoonで掬うくらいにするかbucket(バケツ)で掬うくらいににするかは大海は気にしない」
maxim 格言