超伝導量子ビットの方式

超伝導量子ビットの方式は2つに収斂しています。「トランズモン(transmon)」と「磁束量子ビット(fluxonium)」です。説明は基礎知識が必要なので難しいですが、やってみましょう。わかりやすくする努力をした専門家による解説記事がいくつかあります。
Googleや理研が手掛けているトランズモンは
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/85/12/85_1048/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu/90/4/90_209/_pdf
Dwave社が手掛けている磁束量子ビットにつながる方向は、ちょっと古いですが
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/97755/1/KJ00004705690.pdf
です。
そもそも量子ビットとは何か、というところから始めないといけません。原子が持つ電子のエネルギー準位(高校で習うK殻、L殻、M殻…は大学では細分化され、K→1s, L→{2s, 2p}, M→{3s, 3p, 3d},…という軌道(波動関数)に変わります)このような離散的な(とびとびの)エネルギーをもつ状態(準位とよぶ)を2つ選びだし、それらが行き来できる状況を考えます。原子の場合は、準位間のエネルギー差に対応するエネルギーを持つ光が原子間を飛び交っている状況です。2つの準位を|0>, |1>と書くことにすると(|>はディラックのケット記号で、今はただの符牒だと思ってください)、このような状況での任意の状態は a|0>+b|1> と書けます。ただし、a,bは複素数で、|a|2+|b|2=1です。このように書けるというのは量子力学の原理から来ていて、実験結果を完全に説明できることから信頼されていますが、哲学的には説明不能です。通常のコンピュータは0か1の2通りで情報を表しますが、量子ビットは a|0>+b|1>のa,bの2つの複素数の情報を持っています。そのため、量子ビットは少数でも大量の情報を扱えることになり、100量子ビットはスーパーコンピューター並の処理能力がある、などと言われます。
これと超伝導がどういう関係かというのは明日にしましょう。

英語は、「状況」に関連する単語を見てみましょう。いろいろあり、日本語と微妙に意味がずれています。
state 多義語です。 状態、国
circumstance 状況
destiny 「デ」スティニ 運命、定め
fate 運命
condition 条件
set of conditions 設定された条件→状況 
state of affairs 一連の出来事の状態
things 物事
position 位置、状況
events 出来事、状況
incidents 出来事、事故
occurrences 起こったこと、機会
happenings 出来事
episodes 出来事

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