先週の国会で高額医療費免除制度の見直しについて議論があったようです。net情報しかみていませんが、首相が関連してCAR-T細胞治療に言及したとのことで、いよいよこの治療法が本格的に導入されるということなのでしょう。CAR-T細胞治療はがんの免疫治療法の一つで、患者から取り出したキラーT細胞を遺伝子改変して、がんを攻撃できるようにしてから数百万個に増殖させて患者に戻す方法です。免疫系の個性やがんの個性の条件を満たせば劇的に効くことがわかっているため、ヒトの平均寿命を数年以上延ばせるのではないかと個人的に予想します。がんの種類は少なくとも数千以上あるようなので、すべてに対応できるまでには相当時間がかかるでしょうが、素晴らしい福音と言えるでしょう。ただし、現在のところ1回数千万円(情報源によって3000-8000万の幅がある)かかること、すべてのがんに対応すると数人に1人まで適用者が増える可能性があるため、このまま進めると医療費制度を破壊する可能性が高いです。汎用化するといろいろ技術革新が起きて値段は下がると思いますのでしばらくの辛抱でしょう。上手く動いた第二世代CAR-T細胞の発明者は一人で、米国University of Pennsylvania のCarl H. June教授です。何もなければノーベル賞になるでしょう。現在、同大にはCenter of Cellular Immunotherapyという研究所ができています。
https://www.med.upenn.edu/cci/junelab/
今週は、この治療法をざっと見てから、キラーT細胞の動作機構がどこまでわかっているのか調べていこうと思います。情報量が多いので、2週連続になるかもしれません。
英語は https://en.wikipedia.org/wiki/CAR_T_cell
immunotherapy =immune+therapyで 免疫療法
”In biology, chimeric antigen receptors (CARs)—also known as chimeric immunoreceptors, chimeric T cell receptors or artificial T cell receptors—are receptor proteins that have been engineered to give T cells the new ability to target a specific antigen. The receptors are chimeric in that they combine both antigen-binding and T cell activating functions into a single receptor. ”
chimeric 発音はカイ「メ」リック、キ「メ」リック キメラの キメラは、ライオンとヤギと蛇が合体したギリシャ神話の怪獣。転じて、由来の違う部品がくっついているものを指す。CAR-T細胞では、がん細胞の表面の糖たんぱく質を認識する部分と、キラーT細胞を活性化する部分。
chimera カイ「メ」リア、キ「ミ」エラ 発音注意。 キメラ
“First, leukocytes are isolated using a blood cell separator in a process known as leukocyte apheresis. Peripheral blood mononuclear cells (PBMCs) are then separated and collected. The products of leukocyte apheresis are then transferred to a cell-processing center. In the cell processing center, specific T cells are stimulated so that they will actively proliferate and expand to large numbers.”
leukocytes 白血球
peripheral 周辺の。peripheral blood で末梢血 と訳します。
mononuclear cells 単核細胞。 赤血球 erythrocyte は細胞核がありません。
apheresis 成分分離。 成分献血の遠心分離を使う技術です。
proliferate 増殖する