落葉と紅葉のメカニズム

紅葉と落葉のメカニズムについてはよくわかっています。日照の低下等によってスイッチが入り、遺伝子発現パターンが変わります。まず葉緑体を分解する酵素が働き始め、それから一連の過程が起こります。習っているかもしれませんが、葉緑体は自身の遺伝子を持ち、別の生物(藍藻)が真核細胞に取り込まれたものだとされています。この説を唱えたマーギュリスはノーベル賞をもらってもよかったと思いますが、すでに亡くなっています。1800年代からある忘れられた説の補強なので、オリジナリティが低いと思われたのかもしれません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%B9
細胞内共生体である葉緑体やミトコンドリアが植物体全体のために自らを壊すようにプログラムされているのは、進化の妙というか生命の偉大さを感じます。
落葉する前に、タンパク質や脂質を分解する酵素が作られ、養分として回収されるようです。Mg,Mn,Fe等、葉緑素や酵素に使われる金属やアミノ酸(窒素)等、植物が外から取り込むときエネルギーを消費する物質は回収されるのでしょう。落葉するときには大事なものは回収済みです。我々人間も撤収する局面は色々あると思いますがしっかり回収するのが大事です。転んでもただでは起きない、という心構えを持ちたいです。

英語はhttps://www.mdpi.com/2223-7747/8/10/405から
”Leaf senescence is the cumulative response of multiple factors operating at the final stages of
the plant life cycle. ”
cumulative キュムラティブ 重層的な  cumは重なるという意味です。 accumulate 収集する accumulator アキュムレータ(コンピュータの計算に使う単位)
”Ethylene has multiple roles in different developmental processes such as cell proliferation,
elongation, cell size, abscission and fruit ripening, senescence, and stress responses to abiotic/biotic
factors”
proliferation 激増、急増、拡散、分芽増殖 The Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons 核拡散防止条約
elongation 長くなること
abscission 切断
ripening 熟成
abiotic 非生物的な
“Most of the fatty acids are either oxidized to provide energy for the senescence process or converted to α-ketoglutarate via the glyoxylate cycle. The α-ketoglutarate can be converted into phloem-mobile sugars through gluconeogenesis or used to mobilize amino acids released during leaf protein degradation.”
α-ketoglutarate  α-ケトグルタル酸  人間でもクエン酸回路などで使っています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%91-%E3%82%B1%E3%83%88%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AB%E9%85%B8
protein degradation タンパク質分解  degradationは劣化という意味ですが、ここではアミノ酸に帰ることを意味していると思います。

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