inflatable decelerator

SpaceX社はNASAから委託を受けて宇宙ステーションに資材や人を運ぶ技術力があります。再利用可能なロケットの実験を繰り返していて、最近では第一段を船の上に着陸させることもできています。
この場合の大気圏再突入のための断熱はどうしているのか調べていたらいろいろ面白い技術が見つかりました。
下記redditというのは分野に分かれてかなり突っ込んだ話題が行われる米国の掲示板で、日本の5ちゃんねるなどに比べて高尚な話題のことが多いです。

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by inSpaceXLounge


上記で紹介されている “inflatable decelerator”というのは落下傘の逆に下向きに使う膨らませる断熱材兼減速器のように見えます。
動画もありました。2022年の実験のようです。

最初に映っているのは、右下の文字によるとハワイのスバル望遠鏡です。非常に速いですね。これを減速して着陸させたのですからすごい技術です。
ただ、使い捨てになるのでSpaceXの巨大ロケットには使わないだろう、というのが上記redditで交わされた意見です。
SpaceXの再利用可能ロケットStarshipは六角形の断熱タイル(黒い板+アルミナ繊維)を張り付けてあるようです。4か月前の情報では6号機にはその下には蒸発する材料(ablative tiles)をつけることにしていて、それは下記によれば上のタイルが剥がれたときの安全確保のためだそうです。

黒いのはキルヒホフの輻射の法則で、「電磁波を吸収するものは輻射もしやすい」によります。放熱したければ黒くせよ、が鉄則です。その逆がシロクマである、というのは私が講義で話している通りです。

英語は https://www.nasa.gov/directorates/stmd/game-changing-development-program/hypersonic-inflatable-aerodynamic-decelerator-hiad/ から。
hypersonic 極超音速
inflatable 膨らませられる
aerodynamic 空気力学的 航空力学的
decelerator 減速器
ISS = international space station
“This technology enhances, and potentially enables, a variety of proposed NASA missions to destinations with atmospheres (Mars, Venus, Titan, the gas giants). This holds true for returning payloads to Earth from Low Earth Orbit (LEO) and beyond, such as ISS down mass or sample return capsules.”
enhance エン「ハ」ンス 促進する
destinations 目的地
payload ロケットの積み荷
future planetary missions プ「ら」ネタリ 将来の惑星ミッション

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